2024年5月30日 (木)

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■渡辺明九段
――本局を振り返って。
渡辺 序盤が長い将棋になったので……。手将棋模様なので一手一手が難しかったですね。
――飛車を切って攻め続ける展開になりましたが、そのあたりは。
渡辺 そうですね、▲2七銀(51手目)と上がってから切っていくのは不本意ではあったんですけど、代案がわからなかったので。それでいってみてどうなるかという感じで。
――王位戦は初挑戦となります。
渡辺 王位戦は1回も出られていない棋戦で心残りはあったので、今回出場することができるのはうれしいですね。
――藤井王位に挑むことについて。
渡辺 タイトル戦では何回もやってきていますけど、今まで結果が出せていないので、今までの借りを返せるようにやりたいとは思います。

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■斎藤慎太郎八段
――本局を振り返って。
斎藤 長い序盤で後手番としては勝負に持ち込めそうな展開かと期待していたんですけど、ちょっと決戦のあとの自玉の距離感が読めなかったのかなと。難しいと思ってたんですけど、終盤は互角の順が見つからなかったという感じでした。
――今期の王位戦はリーグ優勝でした。今期を振り返って。
斎藤 リーグ戦は4勝1敗になりましたので、自分なりに戦えたのかなとは思いますが、今日の将棋はなんとか難しい終盤に持ち込みたかったので、そこは悔いが残ります。

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斎藤八段の指した△5五桂(84手目)は、桂を渡しにくくして嫌みをつける実戦的手段。「桂先の銀」は▲5六銀ですが、△7六角と急所のラインに角を打たれて生きた心地がしません。渡辺九段は▲7六銀とかわしました。角を打たれない逃げ方でなるほどという一手。この銀を取りにくるなら、取らせている間に後手玉を寄せればいいという計算です。冷静な指し回しで渡辺九段がリードを広げています。

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渡辺九段が攻め、斎藤八段が受ける構図がはっきりしました。竜に働きかけた▲8七歩(69手目)が周到な下準備で、△同竜は▲8九香の串刺しが決まります。本譜は△8三竜と引かせて▲3四香と着実な攻めに出ました。

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重い感じもありますが、▲3三香成△同金▲4五桂といった要領で自陣の桂が活用できれば攻めが切れる心配も少なくなります。竜を引かせて先手玉がより安全になった効果で攻めに専念しやすくなりました。渡辺九段ペースです。斎藤八段としては受け一方では視界が開けないため、どこかで攻め合いに出たいところです。