お~いお茶杯第62期王位戦七番勝負第1局 Feed

2021年6月30日 (水)

Dsc_2612 (藤井王位の昼食。あいち牛ビーフカレーライス、名古屋コーチンのスープ、ほうじ茶ラテプリン(伊藤園のほうじ茶を使用)、アイスティー)

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Dsc_2625_2 (豊島竜王は豚塩麹焼き定食、紅茶。定食に小鉢、ご飯、みそ汁、香の物が付いている)

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図は69手目▲3五香まで。ここで豊島竜王が14分使って昼食休憩に入りました。消費時間は▲藤井5時間37分、△豊島5時間13分。対局は13時30分再開です。
2日目の昼食は、藤井王位があいち牛ビーフカレーライス、名古屋コーチンのスープ、ほうじ茶ラテプリン(伊藤園のほうじ茶を使用)、アイスティー。豊島竜王は豚塩麹焼き定食(小鉢、ご飯、みそ汁、香の物が付く)、紅茶。

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図は66手目△3六歩の局面。狙いは▲3六同歩なら△4五桂から△3七歩で桂交換を目指し、△7六桂の実現にあるようです。△7六桂と打てれば、封じ手の48手目△7六飛で先手の7六の歩を削った戦果を強調できます。
ここで藤井王位が長考。53分使って▲3六同歩と応じました。

Dsc_2593 (撮影用のおやつを中澤女流初段と山口稀女流2級が試食。トンカ サンマルクを食べて、トンカ豆を使った上のムース状の部分に「杏仁豆腐のような味がします」と中澤女流初段。山口稀女流2級はフルーツが好きとのこと)

今回の七番勝負は、藤井聡太王位に豊島将之竜王(叡王)が挑戦する構図です。本局の数日前に、第6期叡王戦挑戦者決定戦で藤井王位が勝ち、豊島叡王への挑戦権を得ました。二人が相手の城を攻めかかろうとしています。叡王戦五番勝負は7月下旬から始まり、王位戦の七番勝負と並行して行われるため「十二番勝負」といわれています。
ここ数年の将棋界は戦国時代の傾向があり、タイトル戦登場者が多かったため、2者が連続で番勝負を戦うケースはしばらくありませんでした。2019年度に豊島名人と木村一基九段による第60期王位戦と第32期竜王戦挑戦者決定三番勝負という例はありますが、タイトル戦が続いた例は、直近では2014年度における、森内俊之竜王・名人と羽生善治三冠(王位・王座・棋聖)による第72期名人戦七番勝負と第85期棋聖戦五番勝負です。結果は名人戦で羽生三冠が4連勝で奪取、棋聖戦は羽生棋聖が3連勝で防衛と、意外にも最短の7局で決着がついてしまいました(肩書はいずれも当時のもの)。
本局時点では、王位戦七番勝負と棋聖戦五番勝負が並行しています。藤井王位は王位戦で豊島竜王、棋聖戦で渡辺明名人の挑戦を受ける立場です。これら3タイトル戦は今後の将棋界を占う意味で重要です。

20210630_double1_2 (白熱した夏になりそうだ)

藤井聡太王位は愛知県瀬戸市出身、豊島将之竜王は愛知県一宮市出身です。
東海地方出身の棋士同士によるタイトル戦は、このお~いお茶杯第62期王位戦が初めてです。

なお、これまでのタイトルホルダー45人の出身地は以下の通り(敬称略)。
同じ都道府県出身者によるタイトル戦は、今回の藤井聡-豊島以外に木村義-塚田正、大山-有吉、田中寅-南、郷田-渡辺、永瀬-高見の5例を数えるのみです。

北海道 3(二上、屋敷、広瀬)
宮城  1(中原)
群馬  2(藤井猛、三浦)
埼玉  1(羽生)
東京  10(木村義、塚田正、大内、高橋、中村修、島、塚田泰、郷田、渡辺、中村太)
神奈川 3(森内、永瀬、高見)
千葉  2(丸山、木村一)
山梨  1(米長)
愛知  3(山田、豊島、藤井聡)
京都  1(佐藤康)
大阪  3(田中寅、福崎、南)
兵庫  3(内藤、谷川、久保)
奈良  2(桐山、斎藤)
岡山  4(大山、有吉、森安、菅井)
広島  2(升田、糸谷)
高知  1(森)
福岡  2(加藤、佐藤天)
長崎  1(深浦)

控室に岐阜市出身の山口稀良莉女流2級(右)が訪れました。2020年12月に女流2級になったばかりです。「勉強にきました」。福崎九段の身振り手振りの話術で笑いが起きています。

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Dsc_2573 (青野九段と稲葉八段の継ぎ盤に加わる)

20210630a_2青野九段は形勢を豊島よしとみています。「藤井王位は△9七歩(図)と指されても構わないと思っていたのかもしれませんけど、封じ手直前の▲8七歩と打ったあたりから歯車が少しおかしくなったかもしれません」という見解です。