第60期王位戦挑戦者決定リーグ プレーオフ Feed

2019年6月 4日 (火)

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豊島将之王位への挑戦を目指す第60期王位戦(主催:新聞三社連合)挑戦者決定リーグ白組プレーオフの永瀬拓矢叡王-羽生善治九段戦は、19時43分に133手で羽生九段の勝ちとなりました。消費時間は▲羽生3時間51分、△永瀬3時間59分。羽生九段が挑戦者決定戦に進出。紅組プレーオフの木村一基九段-菅井竜也七段戦の勝者と対戦します。
また、羽生九段は通算1434勝を達成。歴代勝数一位の新記録を達成しました。(銀杏)

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▲羽生-△永瀬戦、7六にいた銀を△6五銀と引いて図。そこで羽生九段の指した▲7七桂が好手と評判です。△5六銀が怖いですが、問題ないと見切っているようです。もし△5六銀が利かないとなると、▲7七桂は遊び駒の活用で抜群の味。そして、実戦は▲7七桂に△5四銀でした。羽生九段がリードを広げています。

Dsc_9789(朝の羽生九段)

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紅組の▲木村-△菅井戦は、△9四歩▲5九金で図の局面。渋い2手です。一気に決着する雰囲気はなく、それどころか相入玉含みの長期戦を予想する声もあります。

S097白組の▲羽生-△永瀬戦は、どちらも大駒が敵玉に迫り、決着に向かっているようです。先手よしと見られていますが、斬り合いの将棋なので予断を許しません。

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▲木村-△菅井戦、互いに竜ができています。まとめにくいと見られていた先手ですが、現状は手持ちの金銀で粘りが利きそうですし、攻めるとなれば▲7四歩△同歩▲6五桂の楽しみもあります。後手も勝ちきるのは大変そうです。


Dsc_9716(朝の菅井七段)

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▲羽生-△永瀬戦、図の局面は、飛車で挟まれた2五銀はもちろん、3二金も後手の負担になりそうでした。たとえば、(1)△2一飛▲2二歩△2六歩▲3七飛△3一飛は、▲2一歩成△同飛▲5三角成△同玉▲3二飛成で金を取られてしまいます。そこで永瀬叡王がひねり出したのが(2)△2六金。飛車先をさらに重くする異筋の手です。AbameTVに出演中の中川八段は「衝撃の一手。見たことがない」と驚いていました。

Dsc_9758(「不倒」「負けない将棋」の永瀬流が実るか)