第55期王位戦七番勝負第3局 Feed

2014年8月 5日 (火)

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17時過ぎ、羽生王位は40分の考慮で▲6五歩と突きました。この手はTwitter解説で山崎八段が予想していた手です。前例は▲2五歩だったので、これで未知の局面に入りました。

「▲6五歩は決断の一手です。代えて▲6三角や▲2五歩△同銀▲4六角のような手なら、少なくともすぐには悪くならない。対して▲6五歩というのは、相手も△7三桂で桂が働いてくる、▲6四歩と取り込むと6筋に歩も立つようになる、と非常にリスクも高い手なんです。つまりすごく強い手なわけです。この手を指したということは、良くしてやろうという意思を表明したようなもので、もうこれは相当な局面を迎えたと言えますね。この手を指されたら、木村八段もすぐには指せないでしょう。このまま封じ手を迎える可能性が高いと思います」(先崎九段)

(八雲)

Img_4711札幌駅から徒歩5分ほどのところにある、日本将棋連盟札幌支部道場「みずなら」にお邪魔した。

Img_4710来訪した棋士の似顔絵色紙が飾ってある。中央は木村一基八段。

Img_4715他にも多数の棋士が来訪している。

Img_4718道場師範は森下卓九段と、本局の副立会人、野月七段。

Img_4713席主の工藤学さん(北海道将棋連盟常務理事)が熱心に指導中。

Img_4721別室の小部屋では、高校生の大会で優勝経験のある強豪のふたりが対局中だった。ふたりとも、明日の大盤解説会に来場予定とのこと。

(八雲)

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図は16時30分頃の局面。
木村八段が長考で△2四銀と上がったのに対して、羽生王位は▲4五歩から開戦。展開は先手の攻め、後手の受けではっきりしているようです。

後手の指した△2四銀は、ディフェンスラインを上げたような意味で「積極的に受けにいった意味があります」と先崎九段。「ただ、私は△2四銀という手は好みではないですね。銀がそっぽにいって、手持ちの銀を4四に打っているわけですから。とはいえ、角換わりの後手番というのは、どちらにしろ苦労するもので、どういう局面にして苦労するかは好みの問題です」と、現局面の見解を語ってくれました。

進んで、後手の放った△5九角は、先手陣の6八金型の弱点を突いた筋で、▲3八飛と寄らせたことで先手の攻めを緩和する狙いがあります。「後手は入玉含みで指す方針ですね。ただ、先手もそれほど忙しいわけではないので、攻め筋は広いです。後手の飛車を目標にする方針も有力ですね」(野月七段)

(八雲)

Img_4667対局場の京王プラザホテル札幌は、1982年開業。札幌駅から徒歩5分ほどの好立地で、札幌を代表するシティホテルのひとつだ。

Img_4671正面玄関には王位戦の立て看板。

Img_4663ロビーは広々。

Img_4653

Img_4655レストランでは北の大地の味覚がふんだんに用意されている。

(八雲)

15時を回り対局室におやつが運ばれました。

Img_4679羽生王位は「タピオカ入りココナッツミルク」と「レモンティー」。

Img_4680ココナッツミルクの中にフルーツやタピオカが浮かんでいる。

Img_4676木村八段は「和菓子」と「ホットコーヒー」。

Img_4674粒あんをゼラチンの皮で包んだものとのこと。

(八雲)