第54期王位戦七番勝負第3局 Feed

2013年7月30日 (火)

Oui201307290101_53図の53手目▲6四歩の局面で昼食休憩に入りました。消費時間は▲羽生5時間33分、△行方5時間27分。中座七段は「先手がプレッシャーをかけていて、後手が攻める展開です。攻めをつなげられるかどうか。行方さんの手作りが興味深いです」と午後の戦いの展望を述べました。
(銀杏)

2日目の昼食は、羽生王位が愛別産舞茸コロッケ、素麺。愛別町は上川郡に隣接している町で、きのこの一大生産地だ。行方八段は1日目と同じビーフカレー。

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行方八段が△7四角と合わせると、羽生王位は▲6四歩(図)と突き出して応じた。△6三角なら手順に▲同歩成でと金ができる仕組みだ。と金は金と同等の強さを持ちつつ、相手に渡したときに歩に戻るので強力な駒だ。
控室ではここから△6五歩を利かし、▲5七銀左なら△6三角▲同歩成△7四銀▲6四と△7五銀▲6五と△8六歩(参考図)といった順を一例として検討していた。と金を作らせて、なおかつ先手陣に戻らせるのは意表の順だ。「成り駒は引いて使え」と格言は教える。それでも先手玉頭にガンとぶつかる攻めになるので、後手も相当にやれるようだ。

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先手はと金ができているのだが、後手の攻めは強烈。後手陣が堅く、先手から攻め合いに持ち込めないのは不安なところ。ただ、後手もと金を作らせる感触はあまりよくないので、別の順も視野に入れたい。

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(控室で検討中の中座七段)

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大雪山はアイヌ語でカムイミンタラ(神々の遊ぶ庭)と呼ばれてきた。大雪山公園に属する黒岳は山頂の標高が1984メートル、緯度が高く年平均気温はマイナス3.8度ほど。植生はアラスカの中北部と同じだ。四季それぞれで違った景色があり、春は日本一遅咲きのチシマザクラをはじめとした花々、夏は雲海、秋は紅葉、冬はダイヤモンド・樹氷といった雪と氷の世界を楽しむことができる。
高山帯に生息しているナキウサギとエゾシマリスは黒岳のマスコットキャラクターにもなっている。ロープウェイのゴンドラはキャラクターのイラストが描かれた「なっきー号」と「しーま号」。

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(写真は29日撮影)

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(しーま号とすれ違う)

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羽生王位は角交換から敵陣のスペースに角を打ち込み、銀を応援に送って攻める姿勢を見せた。行方八段は△6五歩▲同歩△7五歩(図)と、6筋と7筋を突いて応じる。反撃を目指す動きだ。
図で▲同歩と取ると、△3九角▲3八飛△7五角成と急所に馬を作られてしまう。そこで羽生王位は▲6六銀とかわし、行方八段は△7六歩(下図)と取り込んだ。

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先手陣が乱されており後手の調子がいいようだが、7筋の歩が切れると先手にも▲7二歩~▲7一歩成という歩を使った攻めが生じる。ここからは互いに攻防に神経を使いながらの進行になる。いよいよ中盤戦だ。

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(朝陽亭ロビーにある浮き舞台「舞」)

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控室にもさまざまなお菓子が差し入れられている。「函館山」はその名の通り山の形をした和菓子だ。

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(こちらは北海道新聞「道新ぶんぶんクラブ」のマスコットキャラクター、ぶんちゃん。大盤解説会の抽選会の景品になるとのこと。親近感のある名前だ)

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