第54期王位戦七番勝負第2局 Feed

2013年7月24日 (水)

54_1

図は14時45分頃の局面。
△6二飛に行方八段の手がぴたりと止まりました。

前手▲6四歩を「筋の手で、△5三金にはこう指してみたい手なんですよね」と解説するのは船江五段。取られそうだった歩を攻めの拠点にする味のよい一手です。また、▲6三歩成△同金とすれば、△5三金と上がった手を無駄な一手にすることもできます。

ところがそれに対する図の△6二飛も先手の動きを利用した味のよい一手。次に△6四飛と払う形になれば飛車が3四銀をにらむ形になり、後手の駒がさばけてきます。

54_2

控室の継ぎ盤では先手にいい順がないか調べられていますが、攻めるのが難しいのか指し手はあまり進んでいません。香川女流初段と藤原三段の継ぎ盤では▲2二歩△同玉▲4四角△同金▲6三歩成△同飛▲4一角の変化が並びましたが、この順は「△6四飛で後手よし」という結論になりました。▲4一角は▲2四飛△同歩▲2三銀打の狙いですが、△6四飛と浮けば▲2四飛に△3四金(A図)で受かります。(棋譜コメントより)

井上九段は「一気によくするような手順は難しいので、悪くならないような、ぼんやりした手を指すかもしれません」と今後の展開を予想しています。

54_3 (香川女流初段と藤原三段。師匠の森信七段も横から検討に加わる)

(若葉)

船江五段に続いて小林健二九段、酒井順吉七段も控室を来訪しました。
小林健九段は徳島県徳島市「渭水苑」で行われる第5局の立会人を務めます。
酒井七段は2年前にここ有馬で行われた第52期王位戦七番勝負第2局で副立会人を務めていました。

控室にはベテラン、若手棋士、女流棋士、奨励会員と多様な検討陣がそろいました。

53_1 (小林健九段)

53_2 (継ぎ盤の側に座って早速検討に加わる酒井七段。
 「あ、先生すいません」(席を譲る井上九段)
 「わしは横で見てるだけや」(酒井七段))

53_3 (酒井七段の差し入れ「大栄堂」の生菓子。酒井七段の地元・明石の銘菓である)

53_4 (継ぎ盤では師弟戦が実現。
 「師弟戦やってくださいよ」(小林健九段)
 「よし、来い!」(井上九段))

(若葉)

午後に入って、船江恒平五段が控室を訪れました。
船江五段は立会人の井上九段の門下です。
「封じ手からは全然当たらへんなぁ」とぼやいていた小阪七段と井上九段も「心強い援軍が来た」と笑顔を見せています。

52_1 (船江五段)

52_2 (船江五段の差し入れ「トゥーストゥース」の焼き菓子)

52_3 (撮影にもご協力いただきました)

(若葉)

51_1

13時30分、対局が再開されました。
持ち時間各8時間の王位戦七番勝負では、この昼食休憩が最後の休憩となります。以降は終局まで指し継がれます。

再開後の一手は△2四銀でした。
自陣にブロックを作って▲2三銀成の筋を消したものです。
持ち駒の銀を手放すので打ちにくいかとみられていましたが、羽生王位はがっちり2筋を受けました。

51_2 (先に入室したのは手番の羽生王位。「時間となっています」と荒木三段の声)

51_3 (上座に着いて一息つくと、すぐに盤上に向かっていた)

51_4 (ほどなくして△2四銀を着手)

(若葉)