第51期王位戦七番勝負第5局 Feed

2010年8月25日 (水)

Oui20100824r59

図の▲1一とに対して広瀬が少考している。先手の主張は
桂・香得、後手の主張は飛・角・銀が急所に利いていること。
互いの主張点をいかにして活かしていくか。手腕が問われる

「△3三角に▲1一とでした。後手としては長引くと駒損が響
いてきそうなので、どんどん攻めていきたいですね。先手は
歩切れですが桂香得の上に、次に▲3五角で歩の補充が
できます。後手としては、端を絡めて上手く攻めたいところで
す」(澤田四段)

(吟)

Oui20100824r52

図は△5四飛と広瀬が飛車の活用を図った局面。
この△5四飛に深浦の手が止まっている。

「△5四飛の局面で▲2二とは間に合う感じがしな
いですね。なので、▲2五歩でしょうか。以下△同
桂▲同飛△5六歩▲4八銀△6五歩が一例です。
△6五歩まで進めば後手を持ちたいです。桂得は
していますが、歩切れが辛そうです」(澤田四段)

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継ぎ盤をぐるりと囲むようにして検討が行われている

(吟)

Oui20100824r51

パタパタと手が進み▲2一歩成と深浦がと金を作った局面。
このと金がうまく活用できるかどうかがカギとなりそうだ。
振り飛車党からすれば△3三桂と逃げている形であり、この
桂が威張れる展開になれば不満はないだろう。
指し直し局も積極的な深浦の姿勢が目立つ

「▲2一歩成の局面で後手は何かしないと、▲2五歩や▲2
二と~▲2三とが間に合ってきそうです。何か上手い手があ
れば後手が良くなりそうですね」(澤田四段)

(吟)

Oui20100824r43

図は▲2四歩と深浦が仕掛けて行った局面。

「▲2四歩に△同角は、角道がそれてしまうこともあり考えにくいので、
△2四同歩でしょう。△2四同歩以下、▲5四歩△9六歩▲同歩△8五
銀ということでしょうか」(澤田四段)

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22時を回ったが、両立会人はまだまだ元気。棋士はやはり
夜型が多い

(吟)

Oui20100824r41

△9五歩に深浦が▲8八銀と締まった局面。

「△9五歩は大きな手ですね。これでいつでも
△9六歩~△9七歩の筋ができました。▲8八
銀は9七の地点を厚くした手です。逆に言えば、
8八からの逃げ道を、自ら防いだ手とも言える
ので微妙なところです。深浦王位は、9七の地
点を厚くしたほうが良いと考えたのでしょうか」
(澤田四段)
21時37分、▲8八銀までの消費時間はどちら
も6時間29分

(吟)