駒得か駒の効率か 図の▲1一とに対して広瀬が少考している。先手の主張は桂・香得、後手の主張は飛・角・銀が急所に利いていること。互いの主張点をいかにして活かしていくか。手腕が問われる「△3三角に▲1一とでした。後手としては長引くと駒損が響いてきそうなので、どんどん攻めていきたいですね。先手は歩切れですが桂香得の上に、次に▲3五角で歩の補充ができます。後手としては、端を絡めて上手く攻めたいところです」(澤田四段) (吟)
22時40分頃の控え室 図は△5四飛と広瀬が飛車の活用を図った局面。この△5四飛に深浦の手が止まっている。「△5四飛の局面で▲2二とは間に合う感じがしないですね。なので、▲2五歩でしょうか。以下△同桂▲同飛△5六歩▲4八銀△6五歩が一例です。△6五歩まで進めば後手を持ちたいです。桂得はしていますが、歩切れが辛そうです」(澤田四段) 継ぎ盤をぐるりと囲むようにして検討が行われている(吟)
22時20分頃の局面 パタパタと手が進み▲2一歩成と深浦がと金を作った局面。このと金がうまく活用できるかどうかがカギとなりそうだ。振り飛車党からすれば△3三桂と逃げている形であり、この桂が威張れる展開になれば不満はないだろう。指し直し局も積極的な深浦の姿勢が目立つ 「▲2一歩成の局面で後手は何かしないと、▲2五歩や▲2二と~▲2三とが間に合ってきそうです。何か上手い手があれば後手が良くなりそうですね」(澤田四段) (吟)
22時過ぎの控え室 図は▲2四歩と深浦が仕掛けて行った局面。「▲2四歩に△同角は、角道がそれてしまうこともあり考えにくいので、△2四同歩でしょう。△2四同歩以下、▲5四歩△9六歩▲同歩△8五銀ということでしょうか」(澤田四段) 22時を回ったが、両立会人はまだまだ元気。棋士はやはり夜型が多い (吟)
21時35分頃の局面 △9五歩に深浦が▲8八銀と締まった局面。「△9五歩は大きな手ですね。これでいつでも△9六歩~△9七歩の筋ができました。▲8八銀は9七の地点を厚くした手です。逆に言えば、8八からの逃げ道を、自ら防いだ手とも言えるので微妙なところです。深浦王位は、9七の地点を厚くしたほうが良いと考えたのでしょうか」(澤田四段)21時37分、▲8八銀までの消費時間はどちらも6時間29分 (吟)