王位、残り時間が10分を切る 藤井王位は33分を割いて△3一金と引き、残り時間は9分となりました。5二の金を見捨てて、▲5二銀成に△3二玉と王手をかわして粘ります。先手の攻めをしのぎ、△6六銀を間に合わせて寄せ合いになれば形勢は混沌とします。伊藤二冠は考慮に沈みました。まだ27分を残し、最終盤でまとまった時間を投入できるのは、大きな強みといえそうです。控室で検討する深浦九段はモニターを見つめて、進行を追っています。
勝負の放り込み 後手に調子がいい進行のようでしたが、上図▲4一銀が目の覚めるような放り込み。▲5二銀成△同玉▲5一成香以下の詰めろになっています。△4一同玉は▲6二成香が王手飛車金取りで、以下△5一桂▲6三成香△同金に▲6一飛が詰めろ金取りです。その進行は攻守逆転で、先手が攻める時間が続きそうです。控室でも先手が苦しいといわれていた形勢判断が一変。にわかに「先手持ち」との声が聞かれ始めました。 (長崎市内の夜景)
力をためる香打ち △5四香は先手の玉頭に狙いを定め、次の△6五桂を厳しくしています。▲6六歩には△6四銀が感触のいい活用。飛車先を通して金取りになり、△5五銀の馬取りも見込めます。1日目は9三にいた銀が天王山に躍り出る進行は、後手にすれば大満足の活用でしょう。 (18時30分を過ぎると、だんだん薄暗くなってきた)
と金は引いて使え 18時頃の局面です。上図の前手▲6一香成で、先手は香取りを避けましたが、駒当たりにはなっていません。後手に反撃のチャンスが回ってきました。実戦は△7八とと桂取りに引きました。「と金は引いて使え」の格言どおりの活用で、じわじわと先手玉の包囲網を狭めています。残り時間は▲伊藤1時間13分、△藤井1時間41分です。(夕食休憩はない。対局者には軽食が用意された)
立会人と観戦記者 佐々木大七段と大島女流二段の解説のあと、深浦九段が解説を務め、聞き手は観戦記者の内田さんが担当しました。内田さんは封じ手開封の際の感想を深浦九段に尋ねます。盤上を離れたところに目を向ける、観戦記者ならではの質問といえそうです。