2025年8月

2025年8月20日 (水)

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上図の△1二金は、▲2三角成を防いだ受けです。△7二銀と強く竜を取る手ばかり検討されていた控室では予想されていなかった手でした。
(1)▲1二同金には△7二銀と竜を取ると▲2三角成~▲3二馬がない分、単に△7二銀と指すよりも先手が得をしています。
(2)▲6三角成が気になります。△同銀は▲7六竜と角を取れます。控室では△同銀ではなく△6六飛と王手馬取りをかけるつもりではないかと言われています。

藤井王位は、次の手を考えている間に残り10分を切っています。

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(検討する森下卓九段と中田功八段)

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藤井王位は角を打ち、懸命に後手玉に迫っています。
ただ3二には7六角の利きがあるので△7二銀と竜を取れると見られています。以下、▲2三角成△4三玉▲3二馬△5三玉に▲7六馬と角を外しても△6五銀打が手厚いです。

中田功八段は後手勝勢の見解を示しつつも「最後までがんばるのが藤井王位。まだすぐには終わらないです」と話しています。

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(中庭には大きな水たまりができている)

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(継ぎ盤を見る中田功八段の後ろの映像には、大きな雷鳴に窓の外を見る藤井王位の姿が映っていた)

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永瀬九段は飛車の両取りに銀を打ちました。控室にいる立会人の中田功八段は、後手が勝ちに近づいていると見ています。

「ただ▲7四飛△同銀▲5三金の勝負手があります」と中田功八段。次に▲4二金△同銀▲4一角から一気の寄せが生じる可能性があります。中田功八段は「▲5三金のときにどうするか。△6二歩▲同飛成△6五飛で竜を消しにいくでしょうか。後手は飛車と金が入りそうなので、△5八金▲同金△同角成▲同玉△2八飛▲4八金△6六桂といった手順を決め手に組み立てたいです」と話しています。

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(昼食休憩明けの永瀬拓矢九段。現在は今シリーズ初勝利に近づいていると見られている)

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(検討する中田功八段)