2024年7月

2024年7月 7日 (日)

【勝った藤井聡太王位】

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――千日手局について。
藤井 こちらが動いていかなければならない将棋だったと思うのですが、昼食休憩あたりから消極的な手が続いて、仕掛けていく機会を逸してしまったかなと思います。

――指し直し局、△5五飛~△4四角~△5五飛と揺さぶった。
藤井 ▲8二角~▲2六飛の組み合わせを少し軽視していて、すでに少し苦しい気がしたので、どうやって頑張るかを考えていました。

――終盤に△4六竜~△3六角で攻め合いを目指した。
藤井 竜を作られてからは苦しいと思っていたので、ほかの変化はチャンスが少ないと思い△4六竜と切りました。▲7一飛には単に△6一歩と打つつもりでしたが、▲同角成のとき先手玉が詰まない。その筋が利かないのであれば負けなのかなと思っていました。

――そのあと先手から猛攻を受けた。
藤井 ▲6一飛成△4一銀に▲同竜と切られていたら詰みなんじゃないかな、と思っていました。

――指し直し局を振り返って。
藤井 早い段階で苦しくなってしまって、粘り強く指しましたが、竜を作られて徐々に粘るのが難しくなってしまった一局だと思います。

――次局に向けて。
藤井 本局の結果は幸いしましたが、反省するところが多かったと思うので、まずはしっかりと振り返って、集中して第2局に臨みたいと思います。

【敗れた渡辺明九段】Pimg_5580
――千日手局について。
渡辺 1歩持たれて少し失敗していると思ったので、どれだけ待てるか、という感じだと思っていた。

――指し直し局、▲8三同馬から竜を作る展開だった。
渡辺 あのあたりは少しよいのかなと思っていたんですけど、そのあと△6四歩で分からなくなって。以降はよい手が指せなかった気がします。

――▲7一飛で後手玉に詰めろをかけた。
渡辺 いきなり最終盤になるような展開だったので、全然読めてはいなかったんですけど。まずいのかなと思っていた変化もある中で本譜は勝ちになったと思っていた。でも詰みが分からなかったですね。

――指し直し局を振り返って。
渡辺 最後に詰みがあるなら詰まさなきゃいけなかったですね……。対局中は詰みが見えなかったです。

――次局に向けて。
渡辺 シリーズは始まったばかりなので、また気を取り直して頑張りたいと思います。

Img_5602(逆転勝利を収めた藤井聡王位。しかしそのつらい展開からか、苦悶の表情を続けていた)

Img_5594(渡辺明九段は後手番で千日手に持ち込み、残り時間有利の指し直し局も好調だったが、最後の最後で勝ちをつかめなかった)

Img_5583(感想戦の前にインタビューが行われる。棋士や関係者含め、何ともいえない空気が漂っていた)

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竜を追われ、藤井聡王位は△4六竜と切り飛ばしました。以下▲同歩△3六角▲4八玉△6九角成と進みましたが、そのとき先手玉に詰めろはかかっていないといいます。ギリギリの変化ではありますが、決着が近づいてきたようです。

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Img_5485(継ぎ盤検討どおりであれば、切り札は届かない。渡辺明九段の勝ちが近いようだ)

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継ぎ盤では△4六同角▲同銀△3二玉に、▲6四桂△6三角▲5二角(変化図)の絡みつきがうるさいとの検討が進められていました。

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その変化を避けるためか、実戦は▲4六銀打に対して△8六歩と戦線を広げています。

Img_5466(いよいよ終盤戦が見えてきたか。渡辺明九段の残り時間もさほど多くはない)