バランスと堅さ 互いに穏やかな方針を選んで駒組みに入りました。先手は歩得と9筋の位、後手は銀冠の堅さがそれぞれ主張になりそうです。渡辺九段が指した▲7五歩(37手目)は相手の方針を見ての牽制です。飛車の横利きを通して▲8六飛のぶつけが切り札。後手は△4三金右~△3一玉と守りを固めると隙も増えるため、飛車交換に弱くなることが狙い目です。3筋と7筋で位を取ってバランス重視の先手陣と、堅さ志向の後手陣という興味深い構図になっています。