2023年8月

2023年8月15日 (火)

本局の観戦記は大川慎太郎さんが執筆し、北海道新聞・東京新聞・中日新聞・神戸新聞・徳島新聞・西日本新聞の各紙に掲載されます。今日の西日本新聞朝刊には、第34期女流王位戦五番勝負第4局の観戦記が掲載されています。里見香奈女流王位に伊藤沙恵女流四段が挑戦したシリーズ。観戦記者の西川和宏さんが執筆しました。

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2023年8月14日 (月)

本局の模様は1日目、2日目ともABEMAで中継されます。1日目は千葉幸生七段、田中悠一五段、竹部さゆり女流四段、山根ことみ女流二段が出演。2日目は中川大輔八段、徳田拳士四段、室谷由紀女流三段、和田あき女流二段が出演します。

【ABEMA(1日目)】

https://abema.tv/channels/shogi/slots/92DT9wXBiMoiMd

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【ABEMA(2日目)】

https://abema.tv/channels/shogi/slots/CWAkWk1iLUkijq

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18時から前夜祭が行われ、藤井王位と佐々木七段は対局に向けての決意を述べました。嬉野市からはさまざまな記念品が贈られ、両対局者は退場。その後は現地の棋士らが本局の見どころについて語りました。

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(西日本新聞社の柴田建哉・代表取締役社長は「ようやく嬉野市での開催がかなった。明日は素晴らしい名勝負になることを期待している」とあいさつ)

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(日本将棋連盟の脇謙二専務理事は「佐々木七段は星が苦しいが、師匠の深浦九段は3連敗から4連勝したことがある。ど根性を見せてほしい」と挑戦者を激励した)

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(嬉野市の村上大祐市長は「2回の開催延期があり、この日を無事に迎えられたことは万感の思い。嬉野は温泉、お茶、お菓子と隙のないまち。器の産地でもあり、器たちが躍動するもてなしをお見せしたい」と意気込みを語った)

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(藤井王位は「食事とおやつのメニューを見ていたが、お茶のまちということでお茶だけで6~7種類もあって長考してしまった。明日からの対局は持ち時間8時間と長いので、そちらこそしっかり考えて一手一手内容の濃い将棋にしたい」とあいさつ)

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(佐々木七段は「奇遇にも3連敗で九州に来るという師匠と同じ状況を迎えてしまった。自分の力を信じて、集中して力を出しきれるように精いっぱい頑張りたい」と巻き返しを誓う)

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(左から脇九段、豊川七段、中田八段。豊川七段は戦型を相掛かりと予想、中田八段と軽妙なトークで会場の笑いを誘った)

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(左から武富女流初段、髙野潤初段。佐賀県出身の武富女流初段は「小学生のときは和多屋別荘の将棋まつりを毎年楽しみにしていた」と思い出を語った)

検分を終えた両対局者は、主催紙記者と「こども記者」から取材を受けました。藤井王位は趣味の鉄道の話題、佐々木七段は長崎県対馬市出身ということから地元九州での対局についての意気込みを聞かれていました。

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■藤井聡太王位

――嬉野対局が3年越しに実現しました。

藤井 こちらは2期前から対局場の準備をしていただいていたのですが、これまで開催がかなっていなかったので、今回対局が実現することになって、とてもうれしく思っています。地元の方に期待していただいている対局だと思うので、それに応えられるように頑張りたいなという気持ちでいます。

――佐々木七段の印象について。

藤井 佐々木七段とは棋聖戦五番勝負もあわせて7局指してきましたけど、序盤が洗練されていますし、中盤以降で受けの強さというか、一見気がつきづらい手でリードを奪われたり、バランスをうまく保たれたりということが多く、そのあたりが佐々木七段の強さなのかなと感じています。

――「後手番で課題を感じている」と先日、話されていました。

藤井 今回は私が後手番です。佐々木七段は先手番の勝率が高いですし、大変な戦いになるのかなと思っています。ただ、本局に向けて後手番で後れを取らないように準備してきたつもりではあるので、明日はしっかり考えて指していきたいと思います。

――この夏は対局が続いています。体力づくりはされていますか。

藤井 特に何か意識してやっていることはありません。タイトル戦に出るようになってから対局が続くことは何回かあったので、対局をする体力は一応あるのかなと思っています。本局もいい状態でこれていると思っています。

――今回は西九州新幹線に乗ってこられましたか。

藤井 はい。武雄温泉駅から1駅なので、あっという間の時間でしたけど。「かもめ」の車両はN700Sで、東海道新幹線でも使われているものですけど、座席はこちらの独自のものになっていました。博多駅から武雄温泉駅までは「リレーかもめ」にも初めて乗りまして、楽しみながらこちらまで来ました。

――(こども記者)私は人見知りをしますが、藤井さんは小学生のころに人見知りをしていましたか。また、学校が統合するのですが、どうやったら友達とすぐ仲よくなれますか。

藤井 私も人見知りをする性格でした。子どものころから将棋をやってきて、将棋を通して友達が増えたし、そのなかでいろいろ楽しいコミュニケーションもできたと思っているので、共通の好きなことを見つけられると学校でも楽しく過ごせるのかなと思います。

――(こども記者)私は5回将棋をやったことがあって、楽しかったけど難しかった。その「難しい」を乗り越えるにはどうしたらいいですか。

藤井 将棋は面白いゲームですが、駒の動かし方であったり、覚えないといけないことも多いので、少しハードルが高いと感じられることもあるのかなと思います。ただ、最近だと「どうぶつ将棋」とかもあるので、そこからスタートして、駒を動かすことを覚えて、それが身についてきたら本将棋を指してみるのもいいのかなと思います。

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■佐々木大地七段

――地元九州での対局。意気込みを聞かせてください。

佐々木 九州には今年3、4月に師匠(深浦康市九段)と一緒に帰りまして、そこで地元の方々ともお会いすることができて、力になっている部分も大きいです。今回は(0勝3敗で)ピンチですけど、応援を力にかえて自分の力を出しきれるように頑張りたいと思います。

――藤井王位の印象と対策について。

佐々木 集中力が高く、妥協のない指し手が多いと思います。番勝負が始まる前は、もう少し攻めのイメージがあったのですが、いざ盤をはさんで対局してみると受けの手が多く、形勢を左右するようなところでは、そういったところでイメージと違いました。形勢判断についても勉強になる部分が多いと思います。

――九州で対局することについて。

佐々木 九州は小学生まで過ごした場所です。知り合いの方も多く、師弟で応援していただいています。本当にありがたいと思います。いい結果を持って九州に帰ってきたいという思いはあって、モチベーションになっています。

――嬉野温泉にこられたのは初めてですか。温泉には入りましたか。

佐々木 初めてです。(先ほど温泉に入って)とてもよかったです。

――(こども記者)料理をされると聞きました。最近は何を作りましたか。また、なぜ料理をするのが好きなのですか。

佐々木 細かく調べていただいてありがとうございます。最近はなかなか時間を作れなくて、簡単なものしか作れていません。外食でカレーを食べたときに、自分で作ってみようとチャレンジしたのが料理を好きになったきっかけです。熱中すると時間をかけてしまうんですけど、それがいい気分転換になっています。

――(こども記者)対馬にいたときは何をして過ごしていましたか。また、何が楽しかったですか。

佐々木 祖父母の家に行って、よく釣りをやっていました。竹で作ったような竿で、エサも適当なものだったんですけど、それが趣味でした。いまでも帰ったら釣りをやるというのが、対馬に帰ったときのルーティンです。

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