今シリーズはここまですべて角換わりの戦型です、そこで、第1局から振り返ってみたいと思います。
第1局 9筋を手抜いて2二に玉を囲い、△6五桂と攻めるのが藤井王位の趣向でした。
この▲2四桂が豊島九段の鋭い一着でペースを握りました。以下は攻め合いを制して豊島九段の勝利。
第2局
近年でよく見られる相腰掛け銀の形になり、序盤から猛スピードで進みました。両者の研究量がうかがえます。
次の△1五同香に豊島九段は3時間弱の大長考。▲7四歩から桂を取って▲3四桂の筋が厳しく、藤井王位が押し切りました。
第3局 近年では珍しくなった5八金・5二金型でした。ここから△6三金▲9六歩△9四歩▲6八金右△6五歩と藤井王位が仕掛けました。
第1局では威力のあった歩頭桂でしたが、本局では不利と見ての勝負手でした。△2四同歩▲同歩△8七歩▲同金寄△6六桂から藤井王位が勝ち筋になりました。
第4局
5筋で銀交換になり、互いに銀の打ち込みに警戒するバランスを保つ将棋に。
最終盤での正確な見切りもあって藤井王位が防衛まであと1勝と迫りました。
ここまで同じ戦型ではありますが、毎回少し形を変えて工夫が見られています。将棋の奥深いところでもあります。本局の結果はどうなるでしょうか。