戦型は角換わりになりました。▲4五桂は前例のある仕掛けで、1日目の午前からスピーディーに進んでいます。以下△2二銀▲3五歩△同歩と進んで、藤井王位が前例とは違う手を指します。
△3五同歩に☗2四歩と突いた前例は、昨年9月に藤井王位が先手を持って日本シリーズJTプロ公式戦・千田翔太七段戦と指しています。その対局は☗2四歩☖4四歩☗7五歩☖同歩☗2三歩成☖同銀☗7四歩と先手が猛攻し、先手の藤井王位が制しています。
本局は▲1五歩と変化しました。以下▲1五歩△同歩▲2四歩△4四歩▲7五歩△同歩▲1五香と進み、豊島九段が手を止めています。
▲1五香は△同香に▲7四歩と打つ狙いです。桂を取れば、▲3四桂と打てます。これは▲2三歩成を決めていないのが生きます。
「△1五同香と取ると思いますが、▲7四歩にどう応じるかは手が広いです。もう勝負どころですよ」と中村太七段。▲1五香が着手されたのは10時24分で、時刻は11時44分を過ぎましたが、豊島九段は考え続けています。