2022年7月

2022年7月14日 (木)

深浦九段に師匠・花村元司九段の定山渓対局を振り返ってもらいました。1962年の第3期王位戦七番勝負第4局▲花村八段-△大山王位の対局は、大山3連勝で迎えた一番です(肩書・段位はいずれも当時)。

20220714e_3花村九段の棋風について、深浦九段は「あちこちから手を作ります」と語ります。実戦は▲5五歩△同歩▲6六銀とし、後に▲5五銀から▲5八飛と中央に戦力を集中させました。ただ、図の△3四銀が5筋を薄くして動きを誘ったようにも見えるので、難しい駆け引きです。

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▲4三角に絶妙の手順があります。△1二角▲6一角成△3三玉です。

20220714a_2玉寄りは▲4三歩成を防ぎながら、端角の利きを通す攻防手です。以下▲7七銀△5六銀▲5八金寄△5五桂と進みました。

20220714g_2銀をグイッと出て、角と連携して6七の地点を狙うことに成功しています。△5五桂に▲6八金上と受けるも、△4六歩からのと金攻めが厳しく、以下は花村八段の猛攻を大山王位がいなして王位3連覇を決めています。

「▲4三角に△1二角から△3三玉で思い出しました。10年以上前に大山康晴全集で並べた記憶があります。なかなか考えられない受けでした」と深浦九段。定山渓で生まれた名手順でした。


Dsc_6925(本日昼の定山渓は晴れて、セミが鳴いていた。60年前、師匠が見た空はどうだったか)

20220714h_2豊島九段が気づきにくい粘りを見せています。▲6三とで受けが難しいと思われていましたが、△5一銀!▲6一飛成△7六歩▲5一竜△2二玉としています。

20220714i銀を犠牲に△2二玉と逃げられてみると、上部が広いのでどう迫るか悩ましいようです。藤井王位は▲7六銀と手を戻しましたが、△8四桂▲7七歩△7六桂▲同歩△7七歩と追撃が続いています。

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まだ先手がはっきり安全とはいえません。藤井王位は時間を使って、慎重に対応することになりそうです。

Dsc_6964(2日目昼の再開後の豊島九段)

Youtubeチャンネル「中日新聞 東京新聞 将棋【公式】」では、2日目昼食休憩時点での副立会人・中村太地七段による見解をご覧になれます。

【「藤井王位はアクセル全開!」王位戦第2局副立会人・中村太地七段インタビュー】
https://www.youtube.com/watch?v=P1tzbULHmec

Dsc_6920(昼食休憩時、野生の「かっぽん」と出会った)

2日目午後のおやつは、藤井王位が「アイスティー(アールグレイ)」と「アップルスムージー(アイス)」、豊島九段が「MONAKA(いちご)」(坂ノ上最中)と「グレープフルーツジュース」です。

Dsc_6974(藤井王位は飲み物ダブル)

Dsc_6970(さっぱりとした苺のムースの中に、カスタードクリームとダークチェリーが入っている。爽やかな甘酸っぱさが心地よい)

【坂ノ上最中】
http://www.jyozankei-daiichi.co.jp/sakano_ueno_monaka/product/