2021年8月

2021年8月25日 (水)

2021082452モニターに△8四飛が映ると、関係者からは驚きの声が上がりました。銀をただで取られてしまいますが、△8四飛に代えて△6六銀と突っ込むと、一直線で悪くなる可能性がありました。△8四飛は攻め合いでは勝てないと見た粘りの一手です。
Img_3032(銀損を受け入れ、歯を食いしばる順を選んだ豊島竜王)

渭水苑オリジナルカクテルのご紹介です。現地でのみ味わうことのできるカクテルで、アルコールだけでなくノンアルコールでも提供ができます。桜、すだち、藍の3種類があります。藍は徳島の名産で、免疫力アップに効果が期待できます。桜のカクテルに浮かぶ桜は、女将さん自家製のものです。
Img_3511(左から、桜、すだち、藍のノンアルコールカクテル)
Img_3531(清水女流七段が藍、深浦九段がすだち、本田女流三段が桜を試飲した)

■「藍」を飲んだ清水女流七段■
--いままで経験したことのない味です。さわやかでとても飲みやすいですが、不思議です。やはり「あい」は言葉では表せませんね。

■「すだち」を飲んだ深浦九段
--完璧においしいです。徳島にきた、という感じがして、何杯でも飲めます。

■「桜」を飲んだ本田女流三段
--桜の香りとほのかな甘味があります。上に浮かぶ桜の塩漬けがとてもおいしいです。

20210824512日目午前で、局面に動きが出てきました。藤井王位が44分考えて桂を跳ねて飛車に当てた局面です。
上図から△6六銀▲8五桂△7七銀成▲同金△7六歩▲同金△8八角成▲8二飛△8七歩成▲5九玉△7七と▲6一銀(変化図)と進めると、後手は3筋の壁がたたり、先手優勢がはっきりします。
2021082463控室では「先手よし」の声が出始めました。豊島竜王はうまく勝負形に持ち込めるでしょうか。
Img_3422(さらなるよさを求めて桂を跳ねた藤井王位)

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渭水苑の女将さんに、両対局者の印象や渭水苑の料理について、お話をうかがいました。

--藤井王位はテレビで見るとおりで、同じ年代の方に比べると落ち着いて見えますが、やはり若いという印象がいちばんでした。いままでお会いした羽生(善治九段)さんや木村(一基九段)さん、本局の立会人の深浦さんと比べるととても若く、将棋界も世代交代の時期に差し掛かってきたのかなと思います。菅井(竜也八段)さんが王位を獲得された辺りから、新しい風が入ったのかなと思っています。
豊島竜王が渭水苑で初めて対局したときは、まだ20代だったと思いますが、今回改めてお越しになられまして、こういったいい方は失礼なのですが、落ち着いて大人になったなと感じました。
渭水苑は日本料理のお店なので、お出しする料理は和食になります。普段は会席料理ですが、対局の際はひとつの御膳にまとめて料理長が作っております。松花堂弁当に関しましては、いままで羽生九段がずっと注文されていまして、徳島産の材料を使った渭水苑オリジナルのものになっております。ほかの対局場は和食だけでなく洋食にも力を入れておられますが、渭水苑は日本料理の店ですので一般のお料理屋さんのお造り御膳とは違った、味はもちろんのこと、どの料理を選んでいただいても目でも味でも楽しめて、休憩中に季節を感じていただき、リフレッシュして午後からの対局に臨んでいただけるようにとの思いを込めてお出ししております。
この対局期間に出している料理は普段とは全く違う料理です。最近では「将棋めし」が話題になっていて、将棋ファンの方から「対局者と同じものを食べられますか」とのお問い合わせもありました。いままでは特に何もしていなかったのですが、今回は検討中です。別途、仕込みなども必要になってきますので、常時のご提供は難しいかもしれませんが、一般の方に楽しんでいただけるようになりましたら、またお伝えをしていく予定です。

本局の観戦記は相崎修司さんが執筆します。10月20日(水)から31日(日)の12譜で掲載予定です。王位戦第5局を主催する徳島新聞の本日の朝刊では、対局1日目の様子を読めます。将棋欄には鈴木宏彦さん執筆の、挑戦者決定戦▲羽生善治九段-△豊島竜王の第2譜が掲載されています。矢倉に組み合う展開になるかと思いきや、羽生九段がいきなりの仕掛けを見せた局面です。
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10時、午前のおやつが運ばれました。藤井王位はアイスコーヒー、豊島竜王が昨日と同じ季節のフルーツでした。
Img_3500(藤井王位はアイスコーヒーのみ)
Img_3491(豊島竜王は昨日に続いて季節のフルーツを頼んだ)
Img_3506(昨日とは違った切り方で、メロンやスイカ、マスカットが並ぶ)