2019年7月30日 (火)

封じ手予想

対局関係者に封じ手予想を聞きました。

島朗九段「今日印象に残ったのは、封じ手の局面となった▲3五銀です。木村さんは受け将棋といわれますが、本質が出た手と思います。相手に攻めさせる「攻撃防御」とみました。テンポよく指している印象を受けます。
封じ手は△8五桂と△9六歩の2択で、五分五分です。木村さんは早い時間(13分)で▲3五銀としたので準備があるでしょう。読み合いになりそうです。午前中に陣形が乱れそうな雰囲気があります」

野月浩貴八段「相掛かりの最新形で、激しい展開も見せつつ、じっくりした将棋になりました。極端な二面性が出た将棋です。互いに慎重に指しましたが、豊島さんが時間を多く使ったのは予想外でした。途中から後手は6四銀が動きにくい展開だったのが要因かなと思います。
△8五飛から△3五歩がハイライト。あまり見ない攻めです。木村さんは激しくしないようにしながら▲3五銀として、望む展開ではないかと思います。▲2四歩からの攻めが見えているので、後手は攻め合いたいです。△8五桂か△9六歩か。自分なら△8五桂として、応手によって攻め方を変えたいです」

山本博志四段「相掛かりの6八玉型は流行している将棋です。木村九段が最新形を取り入れているのを感じます。6八玉型の将棋は、本譜のような展開は少なく、軽く動くことが多いと思います。豊島王位が歩を取らせて右銀を6四に繰り出す構想だったので、厚みで対抗する必要があったのかもしれませんが、木村九段の持ち味が出た展開の印象があります。
封じ手の局面は、手の流れとしては△9六歩▲同歩△9七歩と攻めたいです。豊島王位のここ数手の指し手は端攻めを実現させるためのものと思うからです。先手の飛車が邪魔だったので△8五飛とぶつけて、3筋で歩を入手して△8四飛と引きました。後手は6四銀が使いにくいのが不安で先手ペースに見えますが、後手がうまく攻めをつなげられるかどうか注目です。△3五歩(46手目)は見えにくい手で、すごい構想だと思いました」

久津知子女流二段「現局面は受けが難しそうです。△8五桂か△9六歩か。私は△9六歩から味をつけてから△8五桂と跳ねて7七金型をとがめたいです。
5年前(第55期王位戦七番勝負第3局)では、大盤解説会は関係者も含めて750人がこられました。今回、優先入場券150人分用意されていましたが、倍率が高かったそうです。今回も大盤解説の会場が早い時間で埋まるかもしれません。豊島さんは人気が高いですし、木村さんも王位戦や女流王位戦の解説でもよくこられてファンの心をつかんでいます。
初心者から有段者まで多くの方がこられると思います。野月さんにいい解説をしていただけるように頑張ります」