上図で菅井王位が長考しています。この▲４四歩は（１）△同竜なら▲６五歩と突いて、角のにらみで△５六歩を防ぐ狙いです。継ぎ盤では（２）△５四竜▲５二飛に△５三銀と打つ変化を調べています。
藤原七段が現局面から△５四竜（Ａ）▲４一飛△５六歩▲同歩△６二銀には▲４三歩成△５一銀▲６五歩（変化Ａ図）。

別の継ぎ盤では里見香女流四冠が、△５四竜に（Ｂ）▲５二飛（ａ）△５三銀▲６五歩△５六歩▲４三歩成△同竜▲３三角成△同竜▲４五桂（変化Ｂ図）の変化を示し、いずれも「居飛車（先手）が指せそう」との見解を示します。

福崎九段は「△５四竜▲５二飛△５三銀で受け潰すのは、どうも難しそうですね」との結論に達し、継ぎ盤の検討は△５三銀に代えて（ｂ）△５二同竜▲同金（ア）△４九飛の変化に移行しています。（イ）△５六歩は▲４三歩成△５七歩成▲５三と△７一銀▲６一飛（変化Ｃ図）で先手玉の堅さが生きる展開になりそうとのことです。

（１時間ほどの長考を見せる菅井王位）