2018年7月

2018年7月 5日 (木)

Img_8573 終局直後、勝った菅井王位は疲れた様子、豊島八段は落ち着いた雰囲気だった。

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【菅井王位の談話】

――本局を振り返っていかがでしたか。
「あまり経験のない形だったので、ちょっとどうやっていいのかわからなかったです」

――仕掛けてからはいかがでしたか。
「形勢判断が難しくて、あまりよくわからなかったです」

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【豊島八段の談話】

――封じ手のあたりはいかがでしたか。
「こちらの応対がいろいろ考えられるところなので、何か戦える変化があるかなと思っていたんですけど、考えているうちにちょっと」

――▲5六飛(61手目)に△9九角成と踏み込んだあたりはいかがでしたか。
「こちらがすでにまずい展開になっているかなと思っていました」

――そのあとは辛抱する展開に進みました。
「そうですね。途中からは苦しい展開になったのですが、どこから苦しくなったのかは、ちょっとわからないです」

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図の局面で豊島八段が投了を告げました。終局時刻は18時17分。消費時間は、▲菅井7時間0分、△豊島7時間59分。
菅井王位が開幕戦を制しました。第2局は7月24、25日(火、水)に兵庫県神戸市「中の坊瑞苑」で行われます。

109控室では後手が徹底的に最後まで粘ると見ていましたが、豊島八段は△4八歩~△4六桂と攻め合いを決断しました。ただ、いま打たれた▲2六飛が好手で、検討陣は先手勝勢に近い優勢と見ています。

99時刻は17時を回りました。▲6六角までの消費時間は▲菅井6時間16分、△豊島7時間55分。
駒割りは飛車桂交換で先手が駒得になりました。控室では「さすがに差がついてきたか」と言われています。ただ、後手玉が堅いので、先手も一気に決着をつけにいくような勝ち方はできないようです。

「先手は徐々に体力を奪うような指し方が必要です。まだすぐに終わる将棋ではないと思います」(谷川九段)

82図は16時20分頃の局面。
前譜から先手の攻めが好調に続いていますが、後手も懸命の粘りで決め手を与えず踏み留まっています。検討陣の形勢判断は先手優勢で変わりませんが、先手の明快な勝ち筋も見えていません。
「後手が決め手を与えず頑張っていますが、逆転の目はなかなか見えてきません。この後も苦しい局面が続きそうです」(杉本七段)

Img_8567 16時30分頃、大盤解説会場に谷川九段がスペシャルゲストで登場している。

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66図は15時頃の局面。
控室の検討陣は▲6一飛成で後手の受けが難しいと見ていました。しかし、菅井王位の選択は▲9一飛成。これには△7一歩の受けがあるため、▲6一飛成より厳しさで劣ります。そこで▲6一飛成以下の変化を再検討したところ、△6二飛と合わせる手が指摘されました。以下▲5一竜に△5三銀(下図)と引くのが好手です。この手は▲4一銀成なら△4二銀と歩を払い、▲4一歩成なら△5二飛▲同竜△4一金と攻め駒を取りながら竜を弾いて受ける狙いです。

「この変化は後手がまだまだ粘れますね。これを嫌って菅井王位は▲9一飛成を選んだのだと思います」(控室を訪れた杉本昌隆七段)

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Img_8548控室に訪れた杉本七段。谷川九段と検討を続けている。