2016年7月

2016年7月27日 (水)

封じ手時刻まで残り30分となりました。局面は▲5五歩以下、△5三銀▲5八飛と進んでいます。ここまでの消費時間は▲木村八段3時間40分、△羽生王位3時間15分。第1局では羽生王位が封じ手を行いましたが、本局ではどちらが、どのタイミングで手を封じるでしょうか。

▲5八飛

大石六段

■Twitter解説■
大石直嗣六段>▲5八飛と力を溜めました。候補手として(1)△5五歩▲同銀△5四歩▲6六銀引△6四歩。(2)じっと△2二玉と入城する手が浮かびます。あっという間に封じ手の時間が近くなってきました。どこで封じるか、タイミングも難しい局面であります。

封じ手用封筒
(控室には封じ手で使用する封筒が2通用意されている)

空
(17時20分頃の有馬の空。外はまだ青空が広がっている)

時刻は間もなく17時です。▲3五銀で前例を離れたあと、△3七歩成▲同角△3四歩▲4六銀△3一玉▲5五歩と進みました。羽生王位は3筋の歩を成り捨て、いったん先手の銀を押し返しましたが、木村八段はその後、中央の攻めに転じました。図で(1)△5五同歩には▲5八飛と回る手があるため、控室では(2)△5三銀と上がる手を予想しています。

▲5五歩

羽生王位

大石六段

■Twitter解説■
大石直嗣六段>▲5五歩と突きました。△同歩▲同銀△5四歩▲6六銀引となると先手の理想型であります。△同歩と取らずに△5三銀と反発する手順から考えてみたいです。そこで▲7四歩が気になりますが、△7二飛と回り、▲5四歩△同銀▲5五銀△6五銀(参考図)と交わしてどうか。

△6五銀

有馬の伝統工芸品と言えば、もうひとつ「人形筆」があります。人形筆は室町時代に神戸の伊助という筆職人が創作したのが始まり。絹糸を巻いて鮮やかな模様を作り、筆を真っ直ぐ持つと、豆人形が顔を出す仕掛けが施されています。

西田筆店
(有馬人形筆の製造元である西田筆店)

人形筆
(大小、色とりどりの筆が並んでいる)

人形筆
(筆を真っ直ぐ持つことで、綺麗な字を書くことができます)

人形筆
(子宝授与の縁起物として贈り物にも最適です)

【灰吹屋西田筆店】 http://www.arimahude.com/

有馬には温泉以外にもたくさんの名所、名産品があります。「有馬籠」は安土桃山時代から続く伝統的工芸品。細い竹のみを使用し、それを丁寧に編み込むことで、花籠や茶道具など、趣のある良質な作品に仕上がります。

くつわ
(日本唯一の有馬籠製造販売元「くつわ」)

轡昭竹斎
(四代目・轡昭竹斎さん。今年で籠師になって50年だそうです)

有馬籠
(手際よく竹を編み込んでいく速さは正に職人の業)

有馬籠
(使用する竹の種類によって、色や質感なども違ってきます)

【竹芸有馬籠くつわ】 http://www.arimakago.jp/

時刻は15時30分を回り、▲3五歩以下△同歩▲2六銀△3六歩▲3五銀と進みました。途中▲2六銀に△3六歩は▲渡辺明-△郷田戦の進行でしたが、木村八段は▲2四歩ではなく、▲3五銀と前進して前例を離れました。

▲3五銀

大石六段

■Twitter解説■
大石直嗣六段>▲3五銀!前例と離れました。木村八段の用意の作戦であります。この局面から△4五歩▲6八角を入れからの△5三銀と中央に銀を活用しつつ、飛車の横利きを利かしておきたいところです。