2016年7月

2016年7月28日 (木)

前記事△4五銀以下▲6六銀引△3六銀▲9一角成△同飛▲5二飛成と進みました。途中、木村八段の▲9一角成が決断の一手。角と香の交換ですが、先手は竜を作り、次に▲9二香の飛車取りを狙っています。

▲5二飛成

木村八段

杉本七段

■Twitter解説■
杉本昌隆七段>ここで△2八角も筋ですが▲3七歩で後手が損をします。また、それを踏まえてここで△5七歩と打ち、▲8二竜なら△4七銀成▲5九歩△4六角もあるかも知れません。ただ、かなりひねった順なので、やはり△9三桂が自然という気はします。

時刻は11時30分を回りました。羽生王位の▲5五銀に対する応手は△4五銀。この手をTwitter解説の杉本七段は「柔軟な一手」と表現しており、後手は次に△3六銀と出て、先手の角頭を目標にしています。そして図の局面で木村八段が30分以上の長考に沈みました。

△4五銀

羽生王位

控室
(控室では畠山鎮七段と山口絵女流2級が継ぎ盤を挟んでいる)

杉本七段

■Twitter解説■
杉本昌隆七段>ここでは△6五銀も自然な手でしたが▲6六歩△7四銀▲5四銀の展開を嫌ったのでしょうか。この△4五銀は次に△3六銀▲2八角△4七銀成のような狙いもあります。先手はこの4五銀を追いにくく、指されてみればなるほどという手です。羽生王位らしい柔軟な一手と言えます。一例として、ここから▲5四歩△3六銀▲2六角△4七銀不成▲5七飛△3六銀成▲5九角△9五歩(参考図)などが考えられます。

△9五歩

杉本昌隆七段>この△9五歩のタイミングは難しいですが、こうすることによりいつでも△9六歩▲同歩△9七歩▲同香と先手陣に嫌味を付けることができます。そこで持ち歩があれば△9八歩、場合によっては△同角成から△9六飛の攻め筋もあります。どの変化も木村八段からすると気になるところです。午前中の山場を迎えているかもしれません。

封じ手の△2二玉以下▲7四歩△9四歩▲5四歩△同銀▲5五銀と進行。木村八段は▲7四歩で桂の活用を押さえたあと、積極的に銀をぶつけていきました。ここから本格的な中盤戦へと突入しそうです。

▲5五銀

木村八段

大橋三段
(記録係の大橋三段の読み上げで1日目の手順を再現する)

木村八段

羽生王位

盤面
(封じ手の局面、49手目▲5八飛まで)

脇八段
(立会人の脇八段が封じ手の封筒にハサミを入れる)

羽生王位
(「封じ手は△2二玉です」の声のあと、羽生王位が着手)

2日目開始
(一礼して対局2日目が始まった)