◆羽生善治王位の挨拶◆
「王位戦は全国各地を転戦するので、必ず九州も来ています。非常に将棋が盛んだと感じています。 2日制、8時間の対局で1手の重みや大切さをかみしめて対局に臨んでいます。対局の2日目に大盤解説会が行われます。夏休みの時期でもありますし、小さいお子さんから年配の方まで楽しめるのが魅力です。ファンの皆さまに楽しんでいただけるように気迫のこもった将棋を指したいと思います」
◆広瀬章人八段の挨拶◆
「福岡は私も将棋が盛んなイメージがあります。福岡出身の棋士や在住の棋士が多く、普及熱心な指導員の方が多いことが要因かと思います。私は2年前の王位戦対局では、副立会人としてきました。そのときに小学生と3面指しをしたのですが、とても将棋が強く、礼儀正しかったんです。普及の指導が行き届いていると強く感じました。そのときは副立会人でしたが、対局者として来ることができました。2年前に関係者やファンの方に「挑戦者として来てください」と言われて、「はい、頑張ります」と答えましたが、現在の棋界は各世代で強い方ばかりなので、実際のところ挑戦者として来られるかどうか分からないと思っていました。ですので、こうしてこの場に立っていられることを光栄に思っています。七番勝負も第4局とあって、中盤戦、そして終盤戦に差し掛かってきました。これからは1局の勝敗の重みがより増してきます。自分の力を出し切って、力いっぱい戦いたいと思います。七番勝負のゆくえは分かりませんが、全国のファンの方に納得していただけるような将棋を指したいと思います」
二人への記念品として、770年以上の歴史を持つ日本でも代表的な伝統工芸品である博多織で制作したネクタイが贈呈されました。1600年に黒田長政が筑前を領有するようになってから、幕府への献上品として毎年3月に博多織が献上されるようになりました。贈呈されたネクタイは博多織で制作し、献上柄が入っています。献上柄は真言宗の独鈷と華皿をあしらった模様が入っているのが特徴です。
(挨拶文書き起こし:銀杏記者、写真:夏芽)