最後は塚田九段、豊川七段、安食女流初段による「対局の見どころ」。
塚田 「広瀬八段は3連敗でなかったので少し気が楽になったのではないと思います」
豊川 「すみません、今日は緊張してしまって。先生、明日の戦型はいかがですか」
塚田 「これまで相居飛車の戦いでしたが、広瀬八段の四間飛車穴熊ではないかと思います。しばらく封印していますが、出してくるのではないかと」
豊川 「僕は矢倉だと思います。横歩取り△8四飛型、角換わり、横歩取り△8五飛戦法と違う戦型が出てきました。ところで、ちょっと調べてきたのですが、羽生王位は王位戦で先手のときは62勝22敗なんです。後手のときは59勝34敗。ところがここで驚愕の事実。対局者がいないので言ってしまいますが、広瀬さんは先手のときに26勝9敗で、羽生さんよりも勝率が高いんです。でも、明日は後手番。で、後手番は14勝13敗。羽生さんの先手と広瀬さんの後手では勝率が2割も違うんです。だけども、羽生さんは広瀬さんや豊島さんら若手相手に連戦が続いて、暑い夏に大変ではないかと思います。広瀬さんは20代。前回の対局は終盤のうっちゃりでした。 第4局は大事な一戦。ここを勝った方がこのまま番勝負も制するのではないかと思います。安食さんの予想はいかがですか」
安食 「広瀬さんはスタイルを変えられていますが、私は振り飛車党なので、振り飛車穴熊を見てみたいなと思います」
豊川 「私は家からランボルコギーニ、いや自転車で来たんですけど、福岡へ来るまでのお二人の印象はいかがでしたか」
塚田 「飛行機の席が別々だったので、特別どうこうはなかったのですが、トイレから帰ってきたときに羽生さんの席を見たら、本を読んでいたんですよ」
豊川 「まさか、コミックなわけはないですよね。チェスの本ですか」
塚田 「正解。たぶん英語の本だったと思います」
安食 「飛行機に荷物を預けるときに、広瀬さんと一緒になって話をしたんですけど、マイペースで普段と変わらない様子でした。大勝負を前にしている感じではなかったです。リラックスした感じで」
塚田 「前回勝ったのは大きいと思います。あの勝ち方は大きい。1勝2敗でもいい配置。次に勝てば負け負け勝ち勝ちでいい流れですから」
豊川 「あさって、ここで14時から大盤解説会を担当します。すごい将棋になりそうです。羽生さんはチェスの本を読んでいるふりをして、詰将棋を解いていたかもしれませんよ」
(文章書き起こし:銀杏記者、写真:夏芽)
以上で本日の更新は終了いたします。明日は9時から対局開始です。明日も王位戦中継サイトをよろしくお願いします。