2015年5月

2015年5月18日 (月)

86図は20時55分頃の局面。「ここで▲2九飛が詰めろで明快」と言われていましたが「△3八竜で全然明快じゃないか。いや、明快どころか……」と検討陣。決め手がありそうで決まらない、先手にとっては嫌な雰囲気の終盤戦が延々と続いています。残り時間は▲木村10分、△広瀬4分。

(八雲)

69図は20時15分頃の局面。検討陣の見解は先手良しで変わりません。しかし、1時間ほど前から差は広がっていないようです。広瀬八段が苦しい情勢の中で、決め手を与えずに踏みとどまっています。残り時間は▲木村25分、△広瀬20分。
先手はそろそろ残り時間が気になってくるところ。勝負のアヤはまだ残っているようです。

Img_7195(苦しい情勢の中で踏みとどまる広瀬八段)

Img_7388(20時を回り検討陣の数は減ったが、先崎九段と鈴木八段、山崎八段がしっかり検討している)

(八雲)

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19時20分頃の局面。木村八段が時間を使っています。
当初はここで▲2二角の直接手でも先手良しと見られていました。しかし▲2二角△同金▲同歩成△同飛▲同飛成△同玉▲2四歩には△2九飛から粘る筋があり、先手玉は▲8八玉と上がっても△8六歩と取り込まれると危険な形。この変化は優劣不明とされました。

そこで新たに示されたのが▲4二歩と垂らす筋です。黙っていれば次に▲2二角と打つ狙い。△3五銀と飛車取りに来る手には▲2二歩成△同金▲3二歩△同金▲4一歩成△同玉▲2一飛成で先手勝勢です。他に△8六歩には▲8三歩△同飛▲6一角で、これも先手勝勢です。検討陣は「▲4二歩に粘るなら△同飛しかなさそう」と見ています。

(八雲)

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(▲佐藤康-△千田戦が終局した直後の対局室。対局を終えた二人はすぐに別室に移動した。隣では▲木村-△広瀬戦が続いている。他局の結果ですでに優勝が決まっている広瀬八段だが、その事実は知っているだろうか)
(文)