2014年8月

2014年8月27日 (水)

封じ手の定刻である18時が近づく。参考までに、封じ手を含めた今期七番勝負の結果は次の通り(左側が先手、*が1日目に封じた側)。

第1局 *羽生●-○木村
第2局 *木村●-○羽生
第3局  羽生持-持木村*
第4局 *木村●-○羽生

第4局まで、勝っているのはすべて後手番。また今年は2日制のタイトル戦で「封じ手をした側が勝っていない」という現象が続いている。もちろん盤上には関係のないジンクスだ。どこで封じるかは、どこで自分がじっくり一晩考えたいか、何を相手に見せたくないか、といった駆け引きが絡む。封じ手の時刻が近づくと指し手が進まなくなる印象が強いが、第2局と第4局では定刻の10数分前にパタパタと手が進んだ。本局ではどうなるだろう。

Img_6348(控室の検討の様子。藤原七段=右と千田四段が検討中)

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羽生王位が▲4五歩(図)と仕掛けて戦いに入った。以下△同歩▲同桂△4四銀▲3七角と進行。

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先手は桂を中央に跳ね、角を使って飛車のコビンを狙う。角換わりでは持ち角をどう使うかがひとつのポイント。玉の守りは堅いので、まず飛車に狙いをつけ、手を作っていくという組み立てはよく見られる。「▲3七角は後手からの△3七角を消し▲6四角を狙う攻防の角で参考になる手です」と、Twitter解説の増田六段。ここからは△7五歩▲6四角△9二飛▲7五歩△9五歩と進んでいる。

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先手は駒を活用しつつ歩を蓄え、本格的な攻めの準備を進める。後手は7筋、9筋の歩を突き、反撃の態勢を作っている。

■Twitter解説■
増田裕司六段>△9五歩は一本筋という手です。以下▲同歩に単に△9六歩か△8六歩▲同歩△9六歩か。腕の見せ所です。
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有馬温泉の坂道を登って行くと、瑞宝寺公園の入口が見えてくる。関西有数の紅葉の名所として知られる場所だ。かつて豊臣秀吉が「いくら見ていても飽きない」と褒め称えたことから、「日暮らしの庭」とも呼ばれる。庭内には秀吉が愛用したと言われる石の碁盤のほか、小倉百人一首に選ばれた「ありまやま ゐなのささ原 風ふけば いでそよ人を わすれやはする」という大弐三位(紫式部と藤原宣孝の娘)の歌碑がある。今の季節は青々としたカエデが、柔らかい緑色で公園を彩っている。

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有馬温泉は六甲山地の麓に位置する温泉地。入り組んだ坂道にある温泉街は、昔ながらの景観を残している。歩いていると、名産品である有馬籠や人形絵筆を見かけることができた。

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P1190268_tida (千田翔太四段。毎回関係者に深々と頭を下げて丁寧に挨拶をする)

P1190265_kasi (差し入れてくれたのは千田四段の地元・大阪府箕面市の和菓子の詰め合わせ)

P1190258_kento (すぐに継ぎ盤を囲んだ)

(虹)

15時、対局室におやつが運ばれた。羽生王位はタルトケーキとホットレモンティー、木村八段は和菓子とホットコーヒー。タルトケーキは神戸市の菓子店「レーブドゥシェフ」のもの。和菓子は有馬温泉の和菓子屋「三ツ森」のもの。「秋の音」という、黒ごま入りのくず餅で白あんを包んだ和菓子だ。


■Twitter解説■
増田裕司六段>そろそろおやつの時間ですかね。昔、記録係の時に一回だけおやつにフルーツ盛り合わせが出て食べたいけどトイレに行きたくなるので困った記憶があります。今はあえて優しさで?!記録係にはおやつを出さないんでしょうかね(笑)

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