2014年8月

2014年8月21日 (木)

118図では▲5四飛成が予想されていました。実戦は▲4三歩成です。△同角で後手の角に逃げられますが、6二馬の利きが1筋まで利いてきます。このことから▲4三歩成は寄せを目指した先手の勝負手と推測されますが、控室の検討では後手玉が寄る順は見つかっていません。

111図では△6七金が予想されていました。以下▲5八金は△7八桂成から迫ることができます。しかし実戦はじっと△5九飛成。これには現地検討陣も杉本七段も驚いていました。△6七歩の狙いはありますが、先手に上部開拓の時間を与えるおそれがあります。「19時までに終わることはないでしょう」と現地検討陣。

109図で△5八飛が厳しく、現地控室は「後手よし」の見解です。杉本七段も2手前のツイッター解説で後手優勢としていました。ただし「すぐには決まらないかもしれません」と深浦九段。一例として△5八飛に▲6八銀△6七歩▲7七玉で上部脱出を狙う順を示しています。後手の9五香が浮いているので、先手は入玉の可能性があります。

G005 (深浦九段は見解を伝えた後、解説会で景品抽選に参加。忙しい)

(牛蒡)

102羽生王位は5四桂を6六に跳ねました。△6六歩では間に合わないとみて、スピードアップを図った手です。(1)▲6六同銀△同金▲4三歩成は△5六角の味がいいので、(2)▲7九金△5四角が実戦の進行です。最後の△5四角は攻防の一手。互いに盤全体を使って戦っています。
ちなみに控室では△5四角ではなく△5八歩成▲4三歩成△5七角▲6八銀打△同とが検討されていました。先手玉はその瞬間に相当詰みにくい形になりますが、後手玉も▲3三と△同金▲4一飛成が詰めろになりません。この順も難しそうでした。

(牛蒡)

95 先ほどの次の一手クイズの正解は▲2三同歩成でした。以下△同金▲2四歩で図の局面。後手玉は7七角ににらまれているので、▲2四歩に(1)△同金▲同飛△同銀とは取れません。▲2四歩に(2)△同金▲同飛△2三歩も▲3一銀で寄せられそう。したがって(3)△7七と▲同銀△2四銀が予想手順。▲7七同銀で先手は桂損になりますが、自玉は堅くなります。局面は少し落ち着くかもしれません。

(牛蒡)