2014年7月 7日 (月)

前夜祭(5)

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■羽生善治王位
7月に入りまして、いよいよ王位戦が始まるんだなあという緊張感をいま迎えているところです。石川県には10回以上来ているんですけども、こちらの輪島には今回初めて来ました。ありがたいことにですね、いろいろな場所で、将棋の対局が行われるわけですけれども、日本にもまだまだ知らないいい場所があったんだなということを感じました。今日、飛行機で東京から来て、景色をずっと眺めていたんですけれども、非常に自然が溢れる場所ということもあるんですが、緑色が非常に濃い場所で、「のと里山空港」という名前も今日から始まったようなんですけれども、本当に印象的でした。こちらは非常に将棋の盛んな地と先ほどのごあいさつでもありましたので、明日、明後日の2日間の対局を、観戦に来ていただいて、そうしたファンの皆さまにとって記憶に残るような将棋を指せたらいいなと思っております。

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■木村一基八段
輪島市を訪れるのは3回目だと思います。前回は7~8年前の個人的な旅行で参りました。先ほど写真撮影で行った千枚田のほうにも行きまして、そのときは非常によく晴れていまして、海が青く映えるようで、その光景を今でもよく覚えております。そのときはまさかこの地でタイトル戦を指すことができるとは思っておりませんで、不思議な縁といいますか、不思議なものを感じております。先ほど太鼓を拝見しましたけれども、見ている人を圧倒するかのような気合というものを感じました。明日は演じていただいた方に負けないくらいの気合を持って、臨みたいと思います。将棋を指す以上は当然勝ちたいとう思いがありますが、将棋に興味を持っていただいて、また輪島で王位戦を見たいなあと思っていただくことが棋士の務めではないかと思います。明日は精一杯戦いたいと思います。

書き起こし=文、写真=野辺