佐藤九段が角を放って局面が動くかと思われたが、駒組みが続く展開になっている。この角が働かないようだと、後手は苦しくなってしまうだろう。果たしてどう使っていくのか、佐藤九段の思惑は。控室を訪れた棋士からは、「ぱっと見は後手がつらそうですけど」という声も出ていた。
控室を訪れた中村修九段は次のように話す。
「(後手陣は)普通の棋士ではまとめられないですよ。構想力の勝負なんですが、私はどう指したらいいかわからない。指した手が悪手になりそうで……。やってるうちに嫌になっちゃう。そういう局面で嫌にならないのが佐藤さんの佐藤さんたるゆえんですね。佐藤さんはまとめきれると思っているんですね。10手、20手後がどうなっているか。想像もつかないですけど」
(14時30分ごろ、控室では塚田泰明九段=左、中村修九段らが談笑している)
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2013年5月29日 (水)