2012年5月11日 (金)

相矢倉、阿久津流

Tn_24▲豊島-△中村修戦は相矢倉に進み、後手の中村修九段が阿久津流を採用した。先日行われた名人戦第3局、▲森内俊之名人-△羽生善治王位戦で出た形だ。このときの立会人だったのが誰であろう中村修九段。名人戦の結果は先手勝ちだったが、中村修九段はその対局を見て何か気づいたことがあったのかもしれない。図のように5筋の歩を交換し、7三へ引くのが阿久津流の骨子。3一~6四~7三と動く通常ルートに比べ手得できるわけだ。実戦はここから▲7九角△7三角▲4六角△6四銀▲6八角と進んだ。ちょっと変わった動きだが、先手は角交換を狙い、後手がそれを嫌だと言っている。最後の▲6八角は、後手を6四銀型の凝り形にさせて満足、という態度だ。


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