図の局面で羽生二冠が時間を使っています。
「後手はまもなく△7四歩と突くでしょう。これは次に△7五歩▲同歩△7二飛の仕掛けを狙う動きです。対して先手は目標になる角をさばくため▲6五歩が自然。▲6五歩で後手もいつでも角をぶつけてさばけるようになるので△4二銀と引く。このあたりは3手一組のような手順です。前例の▲遠山-△渡辺戦(2010年12月王位戦)の△7四歩に▲9六歩は△7五歩▲同歩△7二飛▲8八角△7五飛に▲9七角を用意した意味で、▲6五歩を突かずに△7五歩の仕掛けに備える別の手段です。これは工夫した手、あるいは少し突っ張った手ともいえそうですね」(真田七段)
(八雲)