2011年9月

2011年9月12日 (月)

過去の王位戦七番勝負で最終局までもつれた戦いは12回あります。
戦績は先手6勝、後手6勝とまったくの五分。

【最終局までもつれた過去の王位戦】(敬称略)
第12期(1971年)大山康晴4-3中原 誠 最終局後手勝ち
第20期(1979年)米長邦雄4-3中原 誠 最終局先手勝ち
第22期(1981年)中原 誠4-3大山康晴 最終局後手勝ち
第25期(1984年)加藤一二三4-3高橋道雄 最終局先手勝ち
第29期(1988年)森 雞二4-3谷川浩司 最終局先手勝ち
第31期(1990年)谷川浩司4-3佐藤康光 最終局後手勝ち
第35期(1994年)羽生善治4-3郷田真隆 最終局先手勝ち
第41期(2000年)羽生善治4-3谷川浩司 最終局後手勝ち
第46期(2005年)羽生善治4-3佐藤康光 最終局後手勝ち
第48期(2007年)深浦康市4-3羽生善治 最終局先手勝ち
第49期(2008年)深浦康市4-3羽生善治 最終局後手勝ち
第50期(2009年)深浦康市4-3木村一基 最終局先手勝ち

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(陣屋庭内の散策路)

(八雲)

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「この戦型はいずれ角交換する可能性が高く、お互いに手にした角をいかに有効に使えるかがポイントになります。オーソドックスに進めると現局面から▲6五歩△4二銀▲3八金△7五歩▲同歩△8六歩▲同歩△4五歩(参考図)。角がぶつかってから数手が最初の勝負所になるはずで、両者ともそのあたりを深く読んでいるのでしょう」(真田七段)

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(八雲)

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16時過ぎ、羽生二冠は1時間25分の長考で△7四歩を着手しました。消費時間は▲広瀬2時間30分、△羽生3時間11分。
「△7四歩自体は決めていた指し手でしょう。これだけ考えたということは、▲6五歩、▲9六歩、あるいは▲6五歩△4二銀のあと▲3八金や▲9八香など全ての考えられる変化に対して、詰む詰まないというところまで深く読んだということだと思います」(真田七段)

【Twitter解説】
西川和宏>(38手目)やはり△7四歩ですね。△7五歩▲同歩△7二飛の仕掛けを見ています。ここは▲6五歩の一手でしょう。先程の△7二飛に▲4五歩で反撃できます。決戦の時が近づいてきました!

(八雲)