2011年8月10日 (水)

森下九段、「定跡」について語る

10時10分頃、控室では定跡の話題で盛り上がっている。定跡の定義とは、という問いに森下九段が「実戦の積み重ねと、あと信用が大事だと思いますね」と答えている。

森下 むかし米長研では初手から研究していたんですよ。▲7六歩は良い手か悪い手か、じゃあ△8四歩はどうだ、と。当時は時間が無限にありましたからね。
中座 藤井さん(猛九段)は今でもそうらしいですよ。『将棋世界』に書いてあった気がします。
森下 私が若い頃は、「定跡は弱い奴が覚えるんだ」と言われましてね、定跡通と呼ばれた棋士が「これは○○戦だ」と言うと笑われていたんですよ。信じられないですよね。
中座 今じゃ知らないと逆に笑われますからね。
森下 いまは定跡が当たり前になって、でもそれだけじゃダメなんですよね。これからは定跡と力の時代ですね。
(将棋も変わりましたよね、「駒得至上主義」の時代とはスピード感が全然違いますよね、と関係者)
森下 そうですね。「駒得するからいいだろう」という曖昧な価値観から、一手一手がより具体的に理論付けされるようになって。一手の重みが昔とはまるで違ってきましたよね。

0041
(こちらは話題が変わった後の様子。「自転車に乗ってるとカラスが襲ってきましてですね……」。控室が笑いに包まれる)

(文)