2011年8月
石原裕次郎記念館(2)
石原裕次郎記念館(1)
11時の局面
11時、△9二香が着手された。「やったー!とうとう出たね。
こりゃ面白いなぁ」と嬉しそうな大内九段。大内九段と言えば
振り飛車穴熊の元祖である。振り飛車穴熊は広瀬王位の表
看板。第3局にしてついにエースの登板となった。王位獲得
の原動力となった戦法。広瀬王位の穴熊での距離感は抜群
だ。
図までの消費時間は▲羽生49分△広瀬1時間2分。
【twitter解説】
@keiji0422:ここで▲5八金右△9一玉▲2四歩△同歩▲5五銀右
とぶつけるのは、無理攻めでしょうか?
遠山雄亮>そうですね、ちょっと無理そうです。大決戦は後手の望む
ところですので、先手はもう少し抑え込む展開を目指すでしょう。
控室での大内九段。にこやかな表情を見せる。
(吟)
対局駒
参考棋譜
ここでの▲7八玉は比較的珍しく、過去の実戦例は6局(▲3勝△3勝)。
今期王位リーグの▲深浦康市九段-△遠山雄亮五段戦はこの将棋で、
結果は後手の遠山五段の勝ち。ちなみに広瀬は先後1局ずつ指して2勝。
十二分に研究を重ねた戦型なのだろう。
(棋譜コメントより)
【twitter解説】
遠山雄亮>▲7八玉は目新しい手です。▲3七銀ときた勢いで▲4六銀といきたくなりますが。ごく一部で「遅速」と呼ばれているそうで、後手からの△3二銀~△5六歩という急戦策を牽制する意味があります。深浦九段が最初に指した手で、その時の後手は私でした。
【参考棋譜】
第52期王位戦挑戦者決定リーグ紅組
2011年5月25日 於 東京・将棋会館
持ち時間 ▲九段 深浦 康市
各4時間 △五段 遠山 雄亮
▲2六歩 △3四歩 ▲7六歩 △5四歩
▲2五歩 △5二飛 ▲4八銀 △5五歩
▲6八玉 △3三角 ▲3六歩 △6二玉
▲3七銀 △7二玉 ▲7八玉 △8二玉
▲4六銀 △7二銀 ▲6八銀 △3二金
▲9六歩 △4二銀 ▲9五歩 △5六歩
▲3三角成△同 銀 ▲5六歩 △同 飛
▲5五歩 △7六飛 ▲7七銀 △7四飛
▲6八金 △4四銀 ▲2四歩 △同 歩
▲同 飛 △1二角 ▲2二歩 △3三銀
▲2八飛 △2二銀 ▲5三角 △5六歩
▲5八金上△4四歩 ▲8六角成△3三桂
▲5三馬 △4五歩 ▲3七銀 △2五歩
▲8六馬 △3一銀 ▲7六銀 △4二銀
▲7七桂 △3五歩 ▲同 歩 △2四飛
▲3六銀 △4三金 ▲3七桂 △5三銀
▲2五桂 △6四銀 ▲2六歩 △4六歩
▲同 歩 △2五桂 ▲同 歩 △6六桂
▲同 歩 △5七歩成▲8八玉 △6八と
▲同 金 △4四飛 ▲4五桂 △5六歩
▲9四歩 △同 歩 ▲9二歩 △同 香
▲9三歩 △同 香 ▲8五桂 △8四歩
▲9三桂成△同 桂 ▲9五歩 △8五桂
▲9四歩 △9八歩 ▲2四歩 △5七歩成
▲同 金 △9九歩成▲5六桂 △2七歩
▲3八飛 △2四飛 ▲2五歩 △1四飛
▲1六香 △2八歩成▲同 飛 △7四桂
▲9五馬 △7五香 ▲7七歩 △7六香
▲同 歩 △7七銀 ▲同 馬 △同 桂成
▲同 玉 △3九角 ▲5八飛 △5五銀
▲4八銀 △同 角成▲同 飛 △5四飛
▲9三角 △8一玉 ▲9五桂 △5六銀
▲8三香 △同 銀 ▲同 桂成△8五桂
▲8八玉 △7七銀 ▲9九玉 △9五香
▲8九玉 △8八金 ▲同 飛 △同 銀成
▲同 玉 △9七香成▲7九玉 △9九飛
まで、144手で遠山 雄亮五段の勝ち。
(消費時間=▲3時間59分、△3時間59分)
(吟)