2011年8月

2011年8月 9日 (火)

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前例をたどる進行」の続きとしてご覧いただきたい。飯島七段に新手の可能性について尋ねたところ、次のような答えが返ってきた。「新手ですか。私もよくわかりません。先ほどの私の長い手順の先でしょうか。▲3六銀(参考図=上図)以下△8八歩▲3四歩△2三歩▲3七桂△8九歩成▲同銀△8七飛成▲2九飛△8八歩▲9八角△8六竜(参考図=下図)。これは先手が良い変化にはあまり思わないのですが、この先に何かあるのかなと考えます」

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「手順中、▲2九飛は必要な一手です。▲3三歩成△同銀としたとき、飛車が2六だと次に△3四桂が残ります。飛車を逃げれば△4六桂の王手金取り。それを避けた▲2九飛でもあります。△8六竜と逃げる手では△8五竜の前例もあります。△8六竜は次の△5四桂が狙いです」(飯島七段)

(文)

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広瀬王位注文の「ブルーシールアイス盛り合わせ」。バニラ・パイン・シークヮーサーの3種。飲み物はストレートティー。なお、青い色のものがパイン味で、ソーダシャーベットを混ぜたもののようです。

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羽生二冠注文の「ケーキ(洋菓子)の盛り合わせ」。午前中に広瀬王位が注文したものとメニューとしては同じで、毎回盛り合わせの内容を変えてくれるようです。飲み物はホットコーヒーでした。

(八雲)

門司港には、明治~大正の建物が多く残っています。それらの景観に合わせて街全体でレトロな雰囲気を作り上げています。

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門司港レトロの最も象徴的な建物、JR門司港駅。ネオ・ルネッサンス様式の木造建築で大正3年に開業しました。国の重要文化財に指定されています。

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旧大阪商船。大正6年の建築物を修復したものだそうです。

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旧門司三井倶楽部。大正10年に建築。アインシュタインが宿泊したそうです。こちらも重要文化財に指定されています。

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街を歩くとあちこちで名物の「焼きカレー」の看板を見かけます。

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店ごとに特色の異なる味が楽しめるようです。

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人力車で門司港レトロ内を観光できます。

(八雲)

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図は14時40分頃の局面。すでに手数は40手に届いているが、いまだ実戦例のある進行だ。Twitter解説の飯島七段は、次のように語る。「△2六歩まで進みました。たしかに、お互いにどこで手を変えるのでしょうか。少し長いですが、前例は▲8八歩△7五飛▲2六飛△4四角▲3五歩△8八角成▲7六歩△同飛▲7七歩△7八馬▲同銀△8六飛▲8七歩△8五飛▲3六銀です。そこまでに変化する手があるか」

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とても激しい展開だが、これで4局の実戦例があり、タイトル戦で何度も登場している形というのだから驚きだ。「もし前例から変化するとしたら先手の広瀬王位だと思います。後手勝率が良い手順ですから。新手を用意していて確認していると思います。この大事な一局で、定跡の激しい変化で切り込んでいく手順を選ぶ。さすが広瀬王位ですね」(飯島七段)

(文)

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記録係の天野三段から再開が告げられた。羽生二冠はまだ戻っていなかった。

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お茶を飲んで羽生二冠を待つ広瀬王位。

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再開から2分ほどして羽生二冠が戻ってきた。

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取材陣が退室するまで羽生二冠はじっと考え続けいた。

(八雲)