2011年8月

2011年8月10日 (水)

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11時40分過ぎ、広瀬王位が▲5四同角と切りました。予想されていた手ではありますが、現実に角が切られると緊張感が高まります。

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門司港ホテルの裏手から撮影した関門橋。昨日に比べると空気が澄んでいて対岸までくっきり見えます。

(八雲)

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日本を代表する建築家・黒川紀章氏の設計した高層マンション「門司港レトロハイマート」。最上階が「門司港レトロ展望室」となっています。

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展望室から見た門司港ホテル。左手前の建物は、初日に記念撮影を行った旧門司税関。

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展望室からの眺望。中央にうっすらと見える島は「巌流島」です。

(八雲)

10時10分頃、控室では定跡の話題で盛り上がっている。定跡の定義とは、という問いに森下九段が「実戦の積み重ねと、あと信用が大事だと思いますね」と答えている。

森下 むかし米長研では初手から研究していたんですよ。▲7六歩は良い手か悪い手か、じゃあ△8四歩はどうだ、と。当時は時間が無限にありましたからね。
中座 藤井さん(猛九段)は今でもそうらしいですよ。『将棋世界』に書いてあった気がします。
森下 私が若い頃は、「定跡は弱い奴が覚えるんだ」と言われましてね、定跡通と呼ばれた棋士が「これは○○戦だ」と言うと笑われていたんですよ。信じられないですよね。
中座 今じゃ知らないと逆に笑われますからね。
森下 いまは定跡が当たり前になって、でもそれだけじゃダメなんですよね。これからは定跡と力の時代ですね。
(将棋も変わりましたよね、「駒得至上主義」の時代とはスピード感が全然違いますよね、と関係者)
森下 そうですね。「駒得するからいいだろう」という曖昧な価値観から、一手一手がより具体的に理論付けされるようになって。一手の重みが昔とはまるで違ってきましたよね。

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(こちらは話題が変わった後の様子。「自転車に乗ってるとカラスが襲ってきましてですね……」。控室が笑いに包まれる)

(文)

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10時10分頃、左図の局面で羽生二冠が時間を使っています。ここまでの消費時間は▲広瀬4時間20分、△羽生4時間6分。

【棋譜コメントより抜粋】
ここから△8六竜▲3三歩成△同銀▲4五桂△5四桂▲同角△同歩▲3三桂成△同金▲4五桂△3二金(右図)に、(1)▲3三銀と(2)▲3三歩が検討されている。

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(1)▲3三銀は△同金▲同桂成△5二玉(左図)で後手玉が意外と広い。「▲7二金や▲7二角では足りないでしょうねえ」と森下九段。
(2)▲3三歩は△4二金寄▲3四桂△8九歩成▲4二桂成△同金▲3二金△5二玉▲4二金△6一玉(右図)が一例。これも8筋に竜がよく利いていて、後手玉は捕まえにくい形だ。「ほおー。定跡は大したもんですね。なかなか破れないですね」(森下九段) 「ただ、こっち(後手)も相当怖いですけどね」(中座七段)

(八雲)