2011年7月

2011年7月27日 (水)

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本局もいよいよクライマックス。モニターからは秒を読む声がひっきりなしに聞こえてくる。
寄せありとみて、羽生は詰ましにかかった。
果たして先手玉は寄っているのだろうか。

「これは詰まない変化じゃなかったっけ?」と控室の関係者。
詰むや詰まざるやの局面となった。


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(若葉)


67_110【Twitter解説】

阿久津七段 >>
(110手目△6四金は)6五の金を消して寄せやすい形を作ろうという意味だと思います。この手の善悪に関しては分かりません。広瀬王位もこの手は読んでいないはずです。

67_▲8五桂(変化1図)△同竜▲6四金と王手を掛けながら▲8五竜と竜を抜く手順がどうかですね。

67__2しかし先ほどの▲8五竜と竜を抜く手順は△4四桂から先手玉は詰みますね。▲8五桂で竜を抜く筋がワナだとは、恐ろしいですね。

※記者補足
△4四桂に
(1)▲4六玉は△3六金▲4五玉△5四金まで、
(2)▲4五玉は△5四金▲3五玉△2六角引成まで、
(3)▲6七玉も△7七金▲5八玉△6七銀▲4九玉△4八金までとなる。


(若葉)

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「え? 取ったん?」
驚きの声が上がる控室。「これは逆転ちゃうか?」という声も聞こえる。
というのも、△6七と▲同玉(▲同金は△7八飛成からの詰み)△7八飛成(参考図)の攻めがあるからだ。
最後の△7八飛成を▲同玉と取るのは、△7七金以下の詰みとなる。

ただ、実際の形勢は難しいようだ。

内藤九段「優劣不明やな」
関係者「え、ここにきてですか(笑)」
内藤九段「先手が残してるようにもみえるんやけどなぁ」


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【Twitter解説】

阿久津七段 >>
こんなに危険な手順で、広瀬王位は果たして勝ち筋だと思っているのでしょうか?(1)△7八飛成と(2)△7六銀▲5六玉△6五銀▲同竜△6四金、どちらも有力ですね。


(若葉)

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時刻は18時。両者の残り時間も30分を切った。
逆転の雰囲気が漂っていたが、ここで▲4五金△6四玉▲5五金△7三玉▲6五金(参考図)と後手の攻め駒を一掃する順があるようだ。
自玉を安全にしながらの寄せ。遊んでいるように見えた5一成桂も相手玉の逃げ道をふさいでいる。

「この成桂が働く展開になると、先手の勝ちやね」と内藤九段。
ギリギリだが、先手の勝ちが見えてきたか。


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(控室の継盤も落ち着いてきた。後手側に座っていた内藤九段も盤から離れている)


(若葉)

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次に▲5五金の一手詰が見えているが、羽生は果敢に銀を放り込んでいった(上図)
一時は先手勝勢かと言われていたが、先手玉の喉元にも寄せの手がかかった。

△5八銀に代えて△5五桂は▲7七金寄でと金を外され、先手陣がすっきりしてしまう。
先に△5八銀と打って▲4八玉△5五桂とすることで、▲7七金寄には△4七桂成以下の寄せを用意している。
先手玉もかなり危険な局面となった。


(若葉)