地元ファンの前に勝利を納め、登場した深浦
加藤九段の名調子に思わず笑みが漏れる広瀬
加藤「61手目▲5九香と63手目▲4九桂と打ったときは行ける
と思っていましたか」
深浦「駒得した駒を受けているので、まずまずかと。その後、
応手を間違えたかもしれません。難しい将棋でした」
加藤「▲7二龍は自信がありましたか。英断の一手でしたね」
深浦「ほかの手では広瀬さんの陣形が良くなってしまいますので。
加藤先生がおっしゃるように英断の一手でした」
加藤「私は40分くらい考えて封じ手は△6四馬と思い、予想して
いたのですが、封じ手は△6四馬でした。うれしかったで
すね(笑)。広瀬さんはそのあたりの局面はいかがでしたか」
広瀬「1時間以上考えて、△2九馬や△5七歩成などすべて比較し
て△6四馬が一番いいかなと思いました。加藤先生と同じで
うれしいです」
加藤「▲4九桂と打たれたときの率直な気持ちは?」
広瀬「率直ですか(笑)。▲4九桂は意外でしたが、4三とが大き
いので少し悪いかなと思いました。
加藤「本局は1手1手深い読みに裏付けられた素晴らしい手の連続で、
大変な熱戦でだったと思います。皆さんが見ても、楽しく面白
く、深いものを感じられたと思います。私も両者の指し手に胸
をわくわくさせながら見守っておりました」
深浦「2-2のタイでこれから三番勝負が大変ですが、西日本新聞をご
覧になって、王位戦を、できれば私も応援してくださればと思い
ます」
広瀬「2勝2敗となりましたが、深浦王位の地元だったということで(笑)。
本局は負けてしまいましたが、これからの三番勝負、気持ちを入
れ替えて頑張りたいと思いますので応援よろしくお願いします」
(吟)