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2022年1月16日 (日)

10時30分ごろまでの進行

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指し手がテンポよく進んでいます。伊藤女流三段が初手から▲2六歩△3四歩▲2五歩と進めて、里見女流名人得意のゴキゲン中飛車を牽制する出だしで対局は始まりました。
以下、里見女流名人が5筋の歩を突いた瞬間に伊藤女流三段が角交換から▲5三角と打ち込みます(上図)。9筋の突き合いのない将棋なら、二人は第45期五番勝負第3局で経験しています。そのときは△4四角▲同角成△同歩▲4八銀△2二飛▲7八玉…と進んでいます(先手勝ち)。先手が手損になりますが、後手が角交換振り飛車にすれば3三銀・4四歩型は駒組みがしにくいと判断した高等戦術です。

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本局の里見女流名人は△5五角▲7七桂△7四歩から桂頭を狙う動きに出ました。9筋の突き合いのない形では、この進行も前例があって伊藤女流三段も経験しています。以下、指し手が進んで、22手目△9五歩は出だしの駆け引きを生かした手です(下図)。△7五歩▲同歩△7二飛から△7五飛と飛車をさばいたあとに△9五香と走る筋があります。
里見女流名人は下図までの消費時間が12分。類型で伊藤女流三段が経験した形に里見女流名人も工夫を施しているわけです。
(銀杏)

Dsc_7208 (工夫した攻めを見せる里見女流名人)

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