(激戦を制した里見香奈女流名人)
□里見香奈女流名人のインタビュー
--一局を振り返って
穴熊に対して途中からはバランスで対応していた。相手の手を殺して指していきたかったが、玉頭辺りの対応が難しく、途中はちょっと間違ってしまった。そこからは自信なく指していた。
--序盤について
居飛車側の選択肢が多く、わからないまま指していた。▲4七銀引(35手目)はひとつの作戦としてやってみたかった。
--昼食休憩の辺りは
歩得ではあるが、堅さを生かして本譜のようにせめてこられるので対応が難しかった。本譜はあまりよくなかった。
--飛車交換からの端の攻防について
△2六歩(64手目)が大きな手で入っており、飛車交換(81手目)にするべきではなかった。
--終盤の形勢判断は
3二の金を取ったとき、こちらの玉が寄っていてもおかしくなかったが、意外と難しくなっている可能性もあるかなと思っていた。
--最終盤の▲1一飛(131手目)は、どの辺りからの予定だったか
▲2九香(123手目)と打つところ。即詰みかどうかは、はっきりわかっていなかった。
--2勝目を挙げられ、防衛にあと1勝となった
結果としてはよく出来たと思うが、今日の将棋は整理ができていなかった。次局コンディションを整えて頑張りたい。
--例年とは違う形だったが、多くのファンが対局を見届けた
出雲の対局ができるかどうかわからないときもあったが、無事に対局させていただき、地元の方にも現地で観戦していただけた。それが励みになる。今後の糧にして頑張りたい。
--次局に向けての抱負。
指し手がちぐはぐなところがあるので、持っている力を出しきれるよう、調整したい。
(敗れた加藤桃子女流三段は2連敗であとがなくなった)
□加藤女流三段インタビュー
--一局を振り返って
難しく、よくわからなかった。終盤に少し読み抜けたのが残念。
--端の攻防について
飛車交換(80手目)から△2三銀引(92手目)と引き締め、2六の拠点が生きる展開になったので、いいと思っていたが、そのあとがちょっと……。
△2六歩(102手目)のときに、最後まできちんと読みきらなければいけなかった。▲3二竜には△2三銀打(108手目)でまだ大丈夫かと思っていたが、先手玉が寄せにくいとことに気づいた。その辺りで読みがちぐはぐになった。
--出雲の対局を終えて
初めての場所で、こんなに素敵な対局場でタイトル戦を戦えてありがたく思っている。内容も久しぶりによかった気がしたので、勝ちきれればよかった。
--第3局に向けて
終盤は残念だが、本局は力を出せた。途中までの時間配分もよくできていたので、引き続き、貫きたい。
(武蔵)
五番勝負第2局は里見女流名人が際どい終盤戦を制しました。投了図の後手玉は△5四玉▲6三角成△5五玉▲6四銀までの詰み。終局時刻は17時5分。消費時間は▲里見女流名人2時間53分、△加藤女流三段2時間59分。里見女流名人がシリーズ2連勝で防衛まであと1勝に迫りました。第3局は2月7日(日)、千葉県野田市「関根名人記念館」で行われます。
(文)
里見女流名人は加藤女流三段の猛追を振りほどこうとしています。下段香の攻防手を放ちました。これ以上、後手から攻めが続かなければ、豊富な戦力を生かしてたちまち後手玉を寄せられます。
時刻は間もなく17時。勝負が決まりそうです。
(武蔵)