前夜祭(1)
女流名人位戦湯原対局実行委員会 委員長 池田博昭
「皆さまに、全国より湯原にお越しいただいたことに感謝申し上げます。なぜ湯原で対局を開催しようと思ったのか。ひとつは活性化。ひとつは文化交流。そしてひとつは里見女流名人・清水女流六段の話を小学生に聞かせたい、ということです。今後も真庭を盛り上げていきたいと思っております。それでは、第37期ユニバーサル杯女流名人位戦第3局前夜祭を開会します」
主催者挨拶
報知新聞社 大阪本社代表 西山忠雄
「こんばんは。それにしてもすごい雪ですね。川端康成の小説で『トンネルを抜けると雪国であった』というのがありますが、まさにその世界。大雪の中参加していただきまして、厚く御礼申し上げます。
さて、両対局者には前夜祭で肩の力ちょっと抜いていただきましょう。今日は何の日ですか? 里見女流名人はどれくらいチョコをばらまかれましたか?」
里見「妹にもらいました。渡してないです(笑)」
「いずれ渡しますよね?」
里見「はい」
「清水さんはどうなんですか?」
清水「渡さないです」
「私は帰ると机の上に義理チョコがたくさんあるんですよ。これが高くつくんです」
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「さて、第1局、第2局と里見女流名人が逆転勝ちで王手をかけました。もし里見女流名人が勝てば『名人初防衛!』、清水さんが勝てば『本領発揮、逆襲始まる!』と報知新聞の一面に載ることになります。130円です。みなさん買ってください。
里見さんは強い。明日勝てば、当分里見天下が続くのではないでしょうか。いっぽう清水さんはリーグ戦で8戦全勝、最強の挑戦者ということになります。清水さんと初めて話したのは、第30期の中井広恵さんとの対局のときなんですが、とにかく姿勢がいい。6時間姿勢が崩れない。王者の風格ですよね。これを倒す人はおるんかなと思いました。両対局者には、大雪の中、アツイアツイ戦いを繰り広げてほしい。後世に語り継がれる名局を期待したい」
(翔)