2017年7月24日 (月)

両対局者が会場をあとにすると、青野九段、森下九段、豊川七段、安食女流初段が第2局のみどころを語った。

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青野 私の師匠である広津久雄九段が博多の出身でした。お兄さんが造船をされていたそうです。そうしたことから親しい人も多くて、縁があります。

青野 豊川さんはこちらに住んでいるそうですが、奥さんも一緒なんですか。

豊川 そうですね。カミさんがこちらの出身で、福岡に住んで6年くらいになります。コンパクトな都市なので、悪いことはできません。

森下 王位戦は挑戦者が先勝しました。こういう形だと盛り上がりますね。
本人は必勝を期していると思うが、羽生さんの実績がすごいので、菅井さんが勝ってホッとしたところもあります。

豊川 20代の棋士が挑戦者になる流れなんですね。王座戦も中村太地六段と青嶋未来五段との対戦です。

青野 挑戦者が4-0はおお、やるなと思いますが、挑戦者が0-4で負けるのはなんだとなりますよね。昔のある棋戦担当者が「0-4なら自分もできる」といったことがあったそうです。

Dsc_0195 (安食女流初段は青野九段門下。師弟のツーショット)

安食 見どころはいかがでしょうか。

豊川 羽生さんは背水の陣だと思います。2回り年下の挑戦者が出ると危ないといわれています。
菅井さんはわずかに2回り年下ではありませんけど。先ほど、菅井さんは緊張しているといっていましたが、全然そうではなかったと思いますよ。お顔はプリティですが、将棋は図太くて登り坂です。
第1局は羽生さんが競り負けたんですね。
なので、羽生さんが危ないんじゃないかと心配しています。「羽生はないっすねー」というのはつまらない冗談ですが、第2局が勝負だと思います。

青野 私も最近2回りずつで王者が出てくると書いたことがあります。それくらい年が離れていると、なかなか闘志がわかないみたいです。次の世代たちで棋界を盛り上げてくれるだろうみたいに感じてしまうようです。

豊川 第1局は羽生さんが菅井さんに打ちのめされた将棋ではないかと思っています。菅井さんは先後あまり関係ない力戦の振り飛車党だと思います。

青野 彼の場合は中飛車がほとんどで、たまに三間飛車という印象があります。

森下 去年の順位戦で中川大輔八段に負けたんですね。それから自分は振り飛車と思った見たいで、振り飛車一本に決めて迫力が出たように思います。迷ったり悩んだりするとロクなことがないですから。

青野 羽生さんのすごさは同年代が挑戦者になるのが大変な年代になってもタイトルを3つも持っていることで、若手の挑戦をはねのけて、強さが抜けているんですね。通算勝率が7割を超えていますし。
同世代のライバルともかなり勝率差がありますから。
谷川さんは十数年前に王位を獲得したときに、40を超えてもまだタイトルを取れる力が残っているのがうれしいという意味のことをいっていましたけど、羽生さんは45を超えていますからすごいですね。

Dsc_0208 (手ぶりを加えてユニークな豊川七段)

安食 あさっては大盤解説会が開かれます。豊川七段のダジャレを楽しみにしている方もいるんじゃないですか。

豊川 あさって15時からここで行われます。大先生の前でとるいちなんていったら大変なことですけど、あさってはぜひお越しください。先生すみません。

青野 いやいやとんでもない。私も解説会に少し顔を出したいと思います。ひとりでも多くの方に臨場感を味わっていただければと思います。

以上で本日の更新は終了します。明日からの王位戦第2局をお楽しみに。

(書き起こし・銀杏、写真・吟)

Dsc_0154 (羽生王位)
西日本新聞が主催する王位戦の九州対局は毎年定番です。
王位戦のタイトル戦は7月から9月にかけて各地を転戦する暑い季節の中でタイトル戦を戦います。
菅井さんは若い棋士です。最近は棋界で若い人が台頭しています。実際に公式戦で顔を合わせることが多くなりました。
礼儀正しいですし、研究熱心。非常に手強いですが、このような大舞台で対局できるのはありがたいと思います。
対局2日目のあさっては、ここ(JR九州ホール)で大盤解説会が開かれます。見にきてくださった方、注目してくださった方に将棋は面白くていいものだと伝えられたらと思います。

Dsc_0168 (菅井七段)
皆さんのすごい迫力の前に少し緊張しています。王位戦七番勝負が始まって、1ヵ月近くたとうとしていますが、自分にとっては勝負の厳しさを感じながらやっています。羽生先生とこのような舞台で指せるということはなかなかない機会ですので、幸せに感じなければいけないなと思います。でも、その中で勝負は結果も残さないといけないので、そのあたりは複雑な気持ちです。
ただ、やはり将棋を指す以上はいちばんいいものを出さないといけないので、そういう気持ちで2日間頑張っていきたいと思います。

Dsc_0178 (両対局者は決意表明を行ったあと、花束を贈呈されて記念撮影)

Dsc_0188 (明日からの対局に備え、両対局者は会場をあとにした)

(書き起こし・銀杏、写真・吟)



Dsc_0121 (主催者あいさつは坂井裕志・西日本新聞社取締役営業本部長)
九州対局は2013年から15年まで福岡、16年は合併10周年の飯塚市、そして今回。福岡県での対局が定着してきた印象で、皆さまのご支援の賜物と思います。
将棋界は藤井聡太四段の活躍が毎日のように報じられています。嘉麻市出身の加藤一二三九段の引退は、そのキャラクターと相まって話題になりました。これまで以上に将棋への関心が高まっているのではないかと思います。
今年の王位戦は、19期目の王位獲得を目指す羽生善治王位とタイトル初挑戦の菅井竜也七段による戦い。七番勝負前は1勝1敗で、直近の対局も5年前でした。明日からの対局では、激しく火花散る白熱した将棋を期待します。

Dsc_0127 (歓迎のあいさつは渡邊恭順・福岡市経済観光文化局理事)

今回の対局を福岡市にお越しくださった方を歓迎いたします。
日本中を展開して行われる王位戦、権威ある対局が福岡で行われることはまことに喜ばしいことであります。
一大ブームとなっている中、福岡市からは佐藤天彦名人の誕生をきっかけにこれまで以上に将棋への関心が高まっています。
真剣勝負を繰り広げる対局は、福岡の多くの将棋ファンが楽しみにしている対局で、名勝負を期待しています。
福岡市は伝統文化の将棋をはじめ、さまざまな文化芸術活動の環境づくりを進めて、市民生活の豊かさや都市の魅力の向上に努めたいと思っています。

Dsc_0132 (対局者・対局関係者が登壇して紹介された)

Dsc_0135 (関係者を代表して、日本将棋連盟常務理事・森下卓九段があいさつ)

5月から常務理事を務めています。藤井聡太四段というスターが現れました。先日、私の弟子と対戦したのですが、出待ちというのでしょうか。将棋会館の前に300人くらいの方がいてびっくりしました。
羽生王位が七冠王のころは若い女性がおっかけのようなことをしていました。いまやお母さんとして、子どもに「前に羽生さんだったのよ」といっているかもしれません。
明日からの対局、菅井さんは羽生さんよりも20歳以上若いですので、勢いよくぶつかってほしいと思います。
羽生王位は私と年齢が近いので、なんとか中高年の意地を見せてほしいと思います。
 
(書き起こし・銀杏、写真・吟)
 

Dsc_0051 (対局検分開始直前の両対局者)

Dsc_0056 (駒の感触を確かめる羽生王位)

Dsc_0064 (挑戦者の菅井七段)

Dsc_0072 (部屋の明るさ、空調の具合、封じ手を行う場所やお手洗いの場所を確認)

 

羽生善治王位に菅井竜也七段が挑む第58期王位戦七番勝負。
第1局は挑戦者の菅井七段が先勝。第2局(主催・西日本新聞社)は7月25・26日(火・水)に福岡県福岡市「ホテル日航福岡」で行われる。
立会人は青野照市九段、副立会人・現地大盤解説は豊川孝弘七段、現地大盤解説聞き手は安食総子女流初段、記録係は冨田誠也三段(小林健二九段門下)が務める。
持ち時間は各8時間(2日制)、第2局の先手番は菅井七段。

Dsc_0002_2 (対局場のホテル日航福岡)

中継は棋譜コメント入力が銀杏、ブログを吟が担当する。どうぞよろしくお願いいたします。

【西日本新聞】
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