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(大観覧車の時計は19時56分。すっかり真っ暗だ)(吟)
桂を打つなら△9六桂と思われていたが、羽生二冠は△8四桂と控えて打った。△8四桂が伝えられると「ほう、控えて」「そっちですか」と声が上がった。「桂は控えて打て」格言通りの一手だ。△7六桂と角の利きを使って攻める意図だろう。
(控室では3面の継ぎ盤で検討されている)
(吟)
△9五香と走った手に対し▲4四歩が検討されている。△同銀なら▲2四飛や▲5一角と先手には厳しい手が残っている。▲4四歩なら先手が指しやすいとの評判だ。
(広瀬七段と加藤女流王座の継ぎ盤も▲4四歩の局面で止まっている)
19時となり対局が再開。渡辺王座は再開後すぐに▲9七同桂。△9六歩には▲8五桂△同歩▲同銀に△9五香と走って攻めの継続か。
(再開の19時、すぐに▲9七同桂と応じた渡辺王座)
(控室と連絡を取りながら天井カメラを調整)
(天井カメラは休憩中に復旧した)
図の△9七歩に渡辺王座が8分使って18時となり夕食休憩。休憩までの消費時間は▲渡辺王座3時間33分、△羽生二冠3時間44分。対局は19時に再開される。
(夕食の注文は渡辺王座が天ぷらうどん)
(羽生二冠の夕食の注文はおにぎりセット(お新香、小鉢、みそ汁付き)、温かいお茶)※対局者と同じものを注文し撮影しました。
(検討の合間に瀬川五段、伊藤四段、高見四段が控室の窓から景色を眺める。
(そこへ横浜在住の河口七段が若手棋士たちへ地理を解説)
△9五歩▲同歩△9七歩と先手の穴熊玉めがけて端攻めを敢行。ただし桂交換になれば▲9四桂の反撃もあるだけに控室では「先手も受けがいがある局面」といわれている。羽生二冠の端攻めは功を奏するのか。
【ニコニコ生放送解説】飯島栄治七段>このタイミングというか、この間合いというか。羽生二冠は端攻めをしました。ここで攻めないと一方的に悪くなるから、少しでも形を乱しておきたいということでしょう。
(羽生二冠の攻めを誘った渡辺王座)
(17時5分、外はまだまだ明るいが強い浜風が吹いていた)
(勢いよく水が流れ涼しげだ)
羽生二冠は△5二角と自陣角を放った。▲3四歩の取り込みには△同角と応じるのだろう。本局の羽生は専守防衛。
(徹底防御、水も漏らさぬ布陣を敷く)