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2021年10月

2021年10月 5日 (火)

ご観戦ありがとうございました

以上で第4局の中継を終了いたします。第69期五番勝負は永瀬拓矢王座の防衛による3連覇で幕を閉じました。記念すべき第70期はどの棋士が挑戦者になるのか、また、永瀬王座の4連覇がなるかどうか。注目です。
第69期王座戦の中継をご観戦いただきましてありがとうございました。第70期はすでに一次予選が開幕しています。引き続き第70期もどうぞよろしくお願いいたします。

(潤)

防衛インタビュー

感想戦終了後、永瀬王座に主催紙による防衛インタビューが行われました。

Photo_69(主催紙から防衛インタビューを受ける永瀬王座)

―― では改めまして、よろしくお願いします。今日の第4局を振り返られて

永瀬 途中までは作戦ではあったのですが、えっと、▲6六角△9五歩▲4四角△同飛となったところあたりですね。バランスを取りにいったつもりですが、それが取れていなかった可能性もあり、課題のように思います。厳密には厳しいのかもしれないですね。

―― 夕方くらいまではよくなかったということでしょうか

永瀬 難しいとは思っていたんですけど、夕食休憩の辺りは形勢自体も分かっていなかったです。


―― その後、先手のほうにミスが出たのでしょうか

永瀬 展開としては読み筋どおりに進んで自然な進行のように思いましたが、結果的には先手にほかに有力な順があったのかなという感じですか。

2

―― △8二銀打で飛車と竜の両取りが掛かりましたが、あのあたりはいかがでしょうか

永瀬 いいとは全く思いませんでしたが、ほかに代案も全く浮かびませんでしたので。こちらの玉はもう少し条件が悪いと詰んでしまう玉でもありましたが、下駄を預けて勝負にいった感じでした。

―― 4局全体を通してはいかがでしたか。第1局を負けて、その後に3連勝でした。御自身の調子としてはいかがでしたか

永瀬 第1局がいちばんうまくいった感じではあったんですけど。作戦的にですけど。3勝1敗は初めてのスコアで、それで結果を出すことができたのはよかったと思います。

―― 内容的にはいかがでしたか

永瀬 よくはなかったかと思いますが、ベストを尽くせたかなと思います。

―― 第1局の内容がうまくいったのは、普段の研究どおりにいったということでしょうか

永瀬 そうですね。準備という段階のところに入るかなと思います。

Photo_70

―― 木村九段とのシリーズはいかがでしたか

永瀬 本当に苦しくなることが多く、うまく吸収できればと思いながら指していました。

―― お二人とも受けに強い棋士とされていますが、相掛かりという戦闘的な戦型が多かったことについては予想されていましたか

永瀬 木村九段の得意の戦型は相掛かりという印象がありますし、(木村九段が)先手番のときは相掛かりが主軸になると思っていました。

―― これで3連覇達成となりました

永瀬 3連覇はとても望外な結果だと思っています。ただ、内容を見るとよくない点が多かったので、その点を修正して、来期に臨みたいと思います。

Photo_71

(潤)

感想戦

Photo_64(3連覇を果たした永瀬王座)

Photo_65(木村九段は先勝スタートも、王座奪取はならなかった)

Photo_66

Photo_67

Photo_68(感想戦は20時50分頃に終了した)

(潤)

主催紙インタビュー

終局後、感想戦の前に両対局者に主催紙インタビューが行われました。

Photo_60(終局直後の対局室)

―― 今日の一局を簡単に振り返ってください

永瀬  よく分からないまま指していたんですけど、夕食休憩に局面がどうなっているか、負けでもおかしくないと思っていました。

―― 勝ちになったと思われたのは、どのあたりでしょうか

永瀬  △7九飛成(106手目)として、こちらの攻めが切れなければ勝ちになっているかなと思いました。

Photo_61(インタビューに応じる永瀬王座)

―― 今シリーズの4局を振り返っていかがでしょうか

永瀬  相掛かりが多いシリーズで、苦しい局面や苦しい展開の多いシリーズでした。

―― その中で勝てたのはどういったことが要因でしょうか

永瀬  すぐにはよく分からないです。

―― これで3連覇となりました。それについてはどう思われますか

永瀬  結果が出てよかったです。

Photo_62

―― 続いて木村九段にうかがいます。今日の一局を振り返っていかがですか

木村 難しくてちょっとよく分かりませんでした。

―― シリーズ自体はいかがでしたか

木村 ちょっと自分でも気づくようなミスが多く出てしまい、反省の多いシリーズでした。

Photo_63(木村九段にもインタビューが行われた)

(潤)

永瀬王座が防衛を果たす

Ouza202110050101122

五番勝負第4局は永瀬王座が勝ちました。終局時刻は20時11分。消費時間は、▲木村5時間0分、△永瀬4時間42分(チェスクロック使用)。この結果、永瀬王座が3勝1敗で防衛を果たし、3連覇を達成しました。

(武蔵)

木村九段が一分将棋に

2021100510619時50分、図の局面で木村九段が持ち時間を使いきり、一分将棋に入りました。対して、永瀬王座は30分ほど残しています。

(潤)

3連覇が見えた

2021100594図は19時9分の局面。永瀬王座は手にした銀を5二に打ち、竜と角の両取りを掛けました。▲5二同角成△同金▲同竜は△6七角▲4八玉△4九金までの詰み。かといって▲5二同竜は△同金▲同角成の局面が後手玉は詰めろでなく、△6七歩で後手が勝ちます。この銀打ちが厳しく、控室は3連覇が見えてきたという雰囲気になってきました。

(潤)

木村九段の勝負手

202110058118時37分、木村九段は夕食休憩を挟む47分ほどの長考で、いきなりただ捨ての角で後手玉に王手を掛ける勝負手を放ちました。対して、△4一同玉は▲8一飛成△7三銀に▲6一竜で先手勝勢。よって△4二玉と逃げることになりそうですが、後手玉も危険な状態となりそうです。

Photo_59(18時40分頃の対局室を映し出すモニター。勝負手、▲4一角に永瀬王座が考えていた)

(潤)

ホテルオークラ神戸周辺(4)

JR神戸駅からは基本的には来た道を折り返しましたが、ここでは、行きで紹介できなかったところを取り上げます。
14(JR神戸駅すぐ向かいにある万葉倶楽部。温泉施設ながら将棋イベントも数多く開かれており、ご存知のファンの方も多いことだろう)

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17(ハーバーランド対岸にあるメリケンパークには、このようなオブジェが数多く見られる)18

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(神戸から世界へ。希望の船出)

20(青々とした海。そして水平線。その先を人が見えるときはいつかくるだろうか)

24(ホテルオークラ神戸を目の前にしたその瞬間、噴水が高らかに吹き上がった)

27(ホテルオークラ神戸、東側入り口に到着。おつきあいいただきまして、ありがとうございました)

(潤)

18時過ぎの外の様子

18時になって対局が再開されました。ただ、竜と飛車の両取りを掛けられている木村九段にすぐに指す気配はありません。控室では苦しい考慮と見られており、永瀬王座が優勢に立っていると見られています。


Photo_55

(18時頃、控室から庭に出ると、外は薄暗くなっていた)

Photo_56(神戸ポートタワーは真紅に色づく)

Photo_58(観覧車は青に染まっていた)

Photo_57(突如、その色は赤へと変貌を遂げた)

(潤)

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