終局直後
(激闘の余韻が残る)
主催紙の日本経済新聞社から終局後インタビューが行われました。
―まずは永瀬叡王から。全体を通して?
永瀬 最初から苦しいと思っていたのですが、仕掛けが軽かったのかもしれません。作戦がよくなかったかなと。手厚く受け止められてしまって、自信がないと思っていました。
―夕食休憩の78手目△3六馬以降は?
永瀬 形勢が少しまずいか、だいぶまずいか分からなかったのですが、(85手目)▲4七金と上がられたところはハッキリダメかなと思いました。苦しい将棋になってしまったかなという気がします。
―勝ちになったと思ったところは?
永瀬 (112手目)△9三桂と打って大駒が取れる形に近くなったので。逆転してもおかしくないかなと思っていました。
―次に斎藤王座、全体を通して?
斎藤 予定の作戦がまあまあ、うまくいっているのではないかと思ったのですが、本譜で踏み込んで本当にいいのか、決断をためらってしまったのがよくなかったですね。▲5八金(59手目)~▲6三歩成のところですが、1手見落としていると悪くなってしまうので。一応、本譜なら少しよくてもおかしくないかと思ったのですが、この一手というチャンスが思い浮かばなかったのはしょうがないです。最後、ポッキリ折れてしまったのが、いちばん悔いが残ります。
―夕食休憩のあたりの形勢は?
斎藤 (夕食休憩明け、79手目で)▲6三歩とか▲7四馬とか、組み合わせが多すぎて、(再開)直後で間違えてしまったかもしれませんね。嫌な局面と思ったのは△同馬と切られたところ(86手目△4七同馬)で、その前にもう一工夫必要だったかなあと。何かありそうな気がしたのですが、思い浮かびませんでしたね。
―最終盤については?
斎藤 △3三桂(108手目)とぶつけられるのが大きいので、▲5六銀と出るならその瞬間に出たほうがまだ、手順を尽くしているとは思うのですが、こちらがツライかもしれませんね。正確に指してもどうかぐらいで、なかなか難しい局面だったかなと思います。
(飛龍)