(斎藤新王座。2連勝から2連敗の悪い流れで踏み止まり、初タイトルを獲得した)(中村前王座。怒涛の追い込みを見せたが、初防衛はならなかった)
【終局直後のインタビュー】
――本局の内容について。
斎藤 中盤の角打ちが成立するかは難しいかと考えましたが、桂得が楽しみでやれるんじゃないかと思っていました。
中村 序盤で不用意な駒組みになってしまいました。そのあとはどう粘るかという感じで、常に苦しかった将棋だと思います。
――斎藤新王座が勝ちになったと思ったのは。
斎藤 ▲4三桂から詰めろ詰めろで迫れるのがわかったので、そこでようやくですね。
――シリーズを振り返って。
斎藤 第5局の前から押される将棋が多かったので、今日は何とか作戦勝ちになればと序盤から緊張感を持ってやろうと思っていました。全体的にどちらが勝ってもおかしくない将棋が多かったですが、最後で踏ん張れたのは少しは成長できたかなと思います。
中村 難しい将棋が多かったですけど、勝負どころで積極性が欠け、形勢を損ねた将棋が多かったと思います。勝負勘が足りなかったと思います。
――今期王座戦の結果を受けて。
斎藤 この1、2年は若いタイトルホルダー、棋戦優勝者が増えて、なかなか私はそこに届かなかったので、その点では満足しています。まだ実感はないですけど、これからしっかり、将棋、実力、普及ともに精進していかなければと思っています。
中村 昨年タイトルを獲得して初の防衛戦でした。防衛に挑戦する気持ちでやったんですけど、自分の実力のなさを感じたシリーズだったので、また精進してこの舞台に戻ってこられるように続けたいなと思います。
(紋蛇)
109手まで斎藤七段が勝ちました。終局時刻は21時39分。消費時間は▲斎藤慎4時間53分、△中村太4時間59分。この結果、第66期王座戦五番勝負は3勝2敗で斎藤七段の勝利。初タイトルとなる王座を奪取しました。
(八雲)
中村王座の勝負手△7七銀に対し、斎藤七段は▲7七同金△7六歩に▲4三桂から寄せ合いに向かっています。
斎藤七段は一直線に勝とうとしています。いよいよ大詰めです。
(紋蛇)