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2017年10月

2017年10月11日 (水)

検討風景

16時15分、中村六段が長考に沈んでいます。手を進めるとすぐ詰む詰まないに関わるだけに、控室の検討も熱を帯びています。

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中原誠名誉王座

15時ごろ、控室に中原誠名誉王座が来訪しました。タイトル獲得64期、棋戦優勝28回の大棋士です。名誉王座の永世称号規定は連続5期または通算10期獲得で、これまでに資格を得た棋士は2人います。中原名誉王座は王座6期と、王座戦がタイトル戦になる前の優勝10回をあわせて名誉王座の資格を得ました。現役棋士では羽生王座が名誉王座の資格を持っています。

中原名誉王座は控室で鈴木九段と盤を挟み、「まだ夕方なのに早いねえ」と笑顔で検討していました。

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おやつ

15時、おやつが出されました。注文は羽生王座がモンブラン、ホットコーヒー。中村六段がどら焼き、抹茶、ホットコーヒーです。

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Img_2798001※撮影用に対局者と同じメニューを注文しています。

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詰めろがかかる

中村六段がばっさりと踏み込んで、羽生王座の玉に詰めろがかかりました。控室には日本将棋連盟常務理事の鈴木大介九段が訪れています。展開の早さに、検討陣からは驚きの声が上がっています。

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加藤桃子女王が来訪

14時ごろ、控室に加藤桃子女王が訪れました。加藤女王は今月に開幕する、第7期リコー杯女流王座戦五番勝負の挑戦者です。藤井猛九段に促されて継ぎ盤の近くに座り、検討を見守っています。

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横浜の歴史を訪ねる

横浜市内には多くの歴史的建造物が残っています。貿易拠点として発展したことから、港に関係する建物が多くあります。

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(横浜市開港記念会館。1917年開館、今年7月1日に開館100周年を迎えた。国の重要文化財に指定されている。時計塔は「ジャックの塔」の愛称があり、「横浜三塔」のひとつに数えられる)

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(横浜税関本関。1934年完成、当時は横浜で最も高い建物だった。塔屋は「クイーンの塔」と呼ばれる。横浜三塔のひとつ)

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(神奈川県庁本庁舎。1928年完成、登録有形文化財。塔屋は「キングの塔」として親しまれている。横浜三塔のひとつ)

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(帆船日本丸。1930年に建造された練習帆船で、船員の育成に使われた。現在は定期的に総帆展帆を実施している)

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(横浜赤レンガ倉庫。国の保税倉庫として1911年に2号館が、1913年に1号館が竣工した。現在は横浜みなとみらい21の代表的な観光名所になっている)

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対局再開

13時を少し過ぎたころに羽生王座が、13時5分ごろに中村六段が対局室に戻りました。

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昼食休憩

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12時10分、昼食休憩に入りました。昼食は羽生王座が五目ビーフン、オレンジジュース。中村六段がステーキ御膳、ウーロン茶です。対局は13時に再開されます。

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※撮影用に対局者と同じメニューを注文しています。

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激しい戦いに

戦型は角換わりになり、早くから激しい戦いに進んでいます。控室では藤井猛九段、野月八段、村山七段が継ぎ盤を囲んで検討しています。

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横浜ロイヤルパークホテル

対局場の横浜ロイヤルパークホテルは、横浜ランドマークタワーの上層階にあるホテル。これまでに王座戦で何度も対局が行われてきました。羽生王座と中村六段がここで盤を挟むのは、2013年の第61期五番勝負第3局以来。そのときは中村六段が勝ちました。

囲碁の王座戦五番勝負でも対局場として使われており、10月20日(金)には井山裕太王座と一力遼七段による第65期五番勝負の第1局が、横浜ロイヤルパークホテルで行われます。

手元のデータベースから、羽生王座の王座戦五番勝負における横浜ロイヤルパークホテルでの成績を調べました(対局者の肩書は当時)。2003年の第51期五番勝負第5局は、終盤で羽生王座の指が激しく震えたことで有名な一局です。

2016年 第1局 ○糸谷哲郎八段
2015年 第1局 ○佐藤天彦八段
2014年 第5局 ○豊島将之七段
2013年 第3局 ●中村太地六段
2012年 第2局 ○渡辺 明王座
2006年 第1局 ○佐藤康光棋聖
2003年 第5局 ○渡辺 明五段

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