2023年2月 8日 (水)

18時30分から「パレスホテル立川」で前夜祭が行われました。

A7309715 ■主催者挨拶 小菅洋人・スポーツニッポン新聞社代表取締役社長

「ここ2年間はコロナ禍の影響もありまして関係者のみの前夜祭となりましたが、今年は一般のファンの皆様にもお越しいただいて、このように盛大に執り行うことができました。主催者として本当に嬉しく思います。我々としましても新聞紙上、ネット等でこの対局を詳しく報道していきたいと思います」

A7309731 ■主催者挨拶 佐藤康光・日本将棋連盟会長

「世紀の対決は一進一退の中、中盤戦ということでこの第4局を迎えました。お互いに十二分に力を出しきっている印象があります。明日もいい将棋が見られるのかなと期待しております」

A7309735 ■特別協賛社挨拶 栢木伊久二・ALSOK代表取締役社長

「藤井王将の初防衛か、羽生九段の通算タイトル100期獲得か。この注目の一戦にALSOKが特別協賛として携われたことを本当に嬉しく思います。今、何事も急ぎで答えを出さないといけないご時世で、おふたりが一手一手熟考しながら魂を込めて駒を進める姿を見ますと、将棋ファンならず本当に感動を与えていただいていると思います」

A7309741 ■開催地挨拶 清水庄平・立川市長

「藤井王将、羽生九段、ようこそ立川にお越しいただきました。第4局がここ立川で行われることは地元市長として大変光栄であり心より歓迎するところであります。対局場となる「SORANO HOTEL」で、立川産の食材を使ったお食事で英気を養っていただき、全力を尽くされての熱戦を期待します」


(書き起こし=生姜)

16時、対局室の検分が行われました。検分では、使用する盤駒、照明や日差しの入り具合、室温や騒音などが対局を行うに当たって問題ないかを確認します。

午後は西日が差し込む関係で、必要に応じてブラインドを閉めることになりました。藤井王将は室温が少し高めに感じると話し、羽生九段も同調。空調の設定温度で調節することになりました。

A7309531(藤井聡太王将)

A7309508(挑戦者・羽生善治九段)

A7309542

A7309548(写真中央は立会人の森内俊之九段、右は副立会人の佐々木大地七段)

A7309558(検分は滞りなく進み、5分ほどで終了した)

このあと両対局者は揮毫と主催紙のインタビューに臨みます。

藤井聡太王将(五冠)に羽生善治九段が挑戦する第72期ALSOK杯王将戦七番勝負は、藤井王将2勝、羽生九段1勝で第4局を迎えます。
対局は2月9日(木)、10日(金)の2日間にかけて、東京都立川市「SORANO HOTEL」で行われます。
持ち時間は各8時間。両日とも9時対局開始で、12時30分から13時30分までは昼食休憩。1日目の18時を回ると手番の対局者が次の一手を封じ、翌日9時から指し継ぎます。第4局の先手番は羽生九段です。

立会人は森内俊之九段、副立会人は佐々木大地七段、記録係は齋藤光寿三段(門倉啓太五段門下)が務めます。対局2日目に行われる現地大盤解説は、谷川浩司十七世名人と貞升南女流二段が担当します。スポーツニッポン新聞の観戦記担当は関口武史指導棋士五段です。
本局の中継は、棋譜コメントを生姜、本ブログを玉響が担当します。よろしくお願いいたします。


【棋譜再生ページ(毎日新聞ニュースサイト)】
https://mainichi.jp/oshosen2023/230209.html
※王将戦七番勝負の棋譜中継は公開から30日間無料です。対局日から30日経過後に閲覧するには「毎日ID」によるログインが必要となります。


◆主催
【毎日新聞】
https://mainichi.jp/oshosen2023
【スポーツニッポン】
https://www.sponichi.co.jp/society/tokusyu/osho2018/


◆特別協賛
【ALSOK】
https://www.alsok.co.jp/info/alsokhai-oushousen/


◆協賛
【囲碁将棋チャンネル】https://www.igoshogi.net/shogi/oushou/72th/72oushou_seven_battle.html
【立飛ホールディングス】
https://www.tachihi.co.jp/social/art-culture/
【inゼリー】
https://www.morinaga.co.jp/in/jelly/


◆対局場
【SORANO HOTEL】
https://soranohotel.com/

2023年1月29日 (日)

感想戦

藤井王将

藤井王将

羽生九段

羽生九段

感想戦

以上で七番勝負第3局の中継を終了いたします。次戦、第4局は2月9、10日(木、金)に東京都立川市「SORANO HOTEL」で行われます。お楽しみに。本日はご観戦ありがとうございました。

大盤解説会場
(大盤解説会場で来場のファンにあいさつする両対局者)

藤井王将
(藤井王将は2勝目を挙げ、防衛に一歩前進)

羽生九段
(羽生九段は次の第4局でタイに戻せるか)

大盤解説会場
(あいさつを終えると、両対局者は大きな拍手で見送られた)

I終局直後
(終局直後)

藤井聡太王将

■勝った藤井聡太王将へのインタビュー

── 出だしから序盤の戦型が決まるまで、どのようなことを考えながら指していましたか?

藤井 居飛車と振り飛車の両方可能性があったので、どちらにも対応できる手を考えながら指していました。

── 後手の構えが雁木に決まりました。1日目の形勢判断は?

藤井 角と銀を交換しあったのですが、そのあと△3五銀(36手目)と打たれて飛車が押さえ込まれたので、うまく持ち駒を生かして攻めの形を作っていけるかを考えていました。

── 封じ手の△4二玉(50手目)については。

藤井 手が広い局面で、△4二玉も有力なのかなと考えていました。

── ▲6三角(51手目)の成果については。

藤井 △4二玉に対して▲6一角か本譜か迷っていたのですが、▲6三角は△3三玉から手厚い形にされてしまうので、馬を作ったのですが、成果が上がっていないのかなと思いました。▲4一馬~▲3一馬~▲2一馬のような順が間に合えばと思っていましたが、それほど速い攻めではないので、その辺りは成算がないまま指していた感じです。▲4五歩と打って少しポイントを挙げられたのかなと思います。

── その後、馬を作って相手の中段玉を上下で挟撃する形になりましたが、どのあたりで形勢の好転を感じられたでしょうか。

藤井 ▲4五歩(61手目)と打つことで上部脱出を阻む形にできたので感触は悪くないかなと。ただ、こちらは攻め駒が少ないので難しいと思っていました。

── 昼食休憩後の戦いについては。

藤井 △8六歩(64手目)▲同歩に△7五歩と打たれて、そこで▲3一馬もあるのかなと思ったのですが、△7六歩と取り込まれる手も大きいので、本譜の順は手番を渡しますが、いったん受けに回って指そうと思っていました。

── 一局の総括は。

藤井 角と銀を交換した辺りが、どういう構想で指すのか難しくて、分からないところが多い将棋だったと思います。

── 第4局に向けて。

藤井 第4局の前にいくつか対局があるので、それらの対局を含めて、いい状態を維持して第4局に臨めればと思います。

羽生善治九段

■敗れた羽生善治九段へのインタビュー

── 後手番で雁木を選択された経緯について。

羽生 ちょっとまだ未解決の部分もあるのかなと思って指してみました。

── 1日目の展開について。

羽生 よく分からなかったですが、封じ手の△4二玉はいい手ではなかったかもしれません。あの辺のまとめ方に問題があったような気がします。ただ、ほかの手だとほかの筋が生じるので、何を甘受するかという局面だとは思ったのですが、調べてみないと何が正しかったか分からないですね。

── 玉が中段に進んだのは入玉狙い?

羽生 いえいえ、入玉というよりは相手の攻めを緩和する狙いの意図で指していました。ただ、まとめきれなかったと思います。

── 2日目に入って△8六歩▲同歩△7五歩と反撃に転じられましたが成算は?

羽生 昼休憩の時点でダメだと思うので、問題はその前の局面だと思います。

── 振り飛車は選択肢としてあったのですか?

羽生 そうですね。相手の出方次第といいますか、居飛車と振り飛車の両方の可能性を見せながら指していました。

── 第4局に向けて。

羽生 気持ちを切り替えて、次に臨みたいと思います。

終局直後
(インタビュー終了後は、大盤解説会場に移動した)