2014年3月13日 (木)

今朝、対局室のある別館に向かう途中、谷間から立ち上る霧が見えた。標高の高い位置から見下ろすと、霧が一面に立ち込め海のように見えることがあり、これを「霧の海」と呼ぶ。さんべ荘の方に聞くと、昨日と今日の寒暖差が大きかったので霧が見えたのではないか、とのこと。

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さんべ荘には過去に行われた王将戦七番勝負の記録などが展示されている。今日のニコニコ生放送に出演している森内竜王・名人の当時の写真も。これは10年前のものだ。久保利明九段(当時八段)との写真は2008年のもの。

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先手が▲3三角成と角交換して後手が△3三同金と応じた局面。この△同金に鈴木八段が驚いた。「えっ。これは昨日の大盤解説会で『形が悪いからこう取ってはいけません』って言った手ですよ」。3三の地点はいわゆる「桂の通り道」で、ここに金を置くのは悪形になることが多い。ましてや図ではすぐにでも▲4五桂と跳ばれて当たりになる形だ。△3三同桂と取って3筋を攻められるよりは、ということだろうか。近藤六段は「鈴木さん『これはない』って言ってたよ」とにこにこ顔。「いやー。たまげたね」と鈴木八段。

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11時過ぎ、上の図から十数手進んだ局面。盤上各地で駒がぶつかり激しい戦いになっている。鈴木八段は△7四銀を予想していたが、ニコニコ生放送の森内竜王・名人はそれには▲7五歩で先手持ちなのでは、と話していた。「それはむしろ後手持ちと思っていたんですが。長考しているし、△6四同銀なのかなあ。でも▲2二歩から十字飛車の筋(▲2四飛~▲3四飛)で、受かる気がしないですけど」と鈴木八段はつぶやく。

10時30分、対局室におやつが運ばれた。注文は二人とも飲み物だけで、渡辺王将がホットコーヒー、羽生三冠がレモンティー。対局者に出されたものとは別に「魔法のコーヒー」と呼ばれるコーヒーをいただいたが、苦味と酸味が弱めでコーヒーが苦手でも楽しめそうな味だった。

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封じ手開封を終え、鈴木八段が控室に戻る。封じ手の△5七歩は鈴木八段の弟子である梶浦三段が予想していた手。関係者から「梶浦さんの予想が当たりましたね」と話しかけられると、鈴木八段は苦笑い。「封筒を開いたときは意外だったんですが、読み上げなくちゃいけないなと。隣でやったぜオーラが出てましたよ」と、対局室の様子を話してくれた。「△5七歩は一方的に攻められるのをきらって味付けして、という手。現代的な将棋観ですよね。(弟子の予想が当たったことについて)ショック半分、うれしさ半分です」

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