控室では佐藤康九段と中川八段が継ぎ盤を挟んで検討しています。評判は永瀬王座よし。中川八段は永瀬王座の状況について「駒得で、自然な手を指していけば優勢を拡大できる。厚いです」と解説。佐藤康九段は渡辺王将の陣形を示して「雁木なので城外が響く展開ですね」と、玉が不安定な点を懸念材料と見ています。
２人は撮影用のおやつで休憩に入れました。佐藤康九段が選んだのは立川産キウイフルーツのジュース。「おいしいですね。20年前を思い出します。キウイをたくさん食べたら調子がよかったんですよ」。2002年の第51期王将戦七番勝負第１局で、佐藤康九段はキウイフルーツを好んで注文しました。このシリーズは佐藤康九段が羽生善治王将（当時）を４勝２敗で破って王将位を獲得しています。
10時30分、おやつが出されました。飲み物だけで、対局室に運ばれます。渡辺王将はフレッシュオレンジジュース、フェアトレードコーヒー。永瀬王座は立川産ブルーベリーとバナナのスムージー、立川産キウイフルーツのジュース、フェアトレードコーヒーを注文しました。
封じ手は２通作成して立会人に預けるのが通例です。封じ手を行う対局者は動かす駒に丸をつけ、矢印で動かす先を示します。成か不成の選択がある場合は、どちらかを書き入れます。
９時、谷川九段が「封じ手を開封します」と告げ、両対局者の横に移動して封筒にはさみを入れました。封じ手用紙を広げて両対局者に見せ、永瀬王座が封じ手を着手します。封じ手はこの一手と見られていた▲４五飛でした。長机に戻った谷川九段が再開を告げ、対局が再開されました。
対局室に永瀬王座、渡辺王将の順に入室して対局の準備が始まりました。駒を並べ終えると、記録係の田中三段が１日目の指し手を読み上げて、両対局者が再現していきます。封じ手の局面になると、谷川九段が両対局者に「定刻まで少し時間がありますので、待ってから開封します」と声をかけていました。
本局の模様は１日目、２日目とも「将棋プレミアム」で配信されます。２日目は解説があり、解説は深浦康市九段、聞き手は観戦記者の内田晶さんが担当します。
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２日目は９時に封じ手が開封され、対局が再開される予定です。14時からは谷川九段、佐藤康九段、室谷女流三段が出演する特別座談会が、15時からは大盤解説会が行われます。
■２日目スケジュール
9:00 封じ手開封、対局再開
10:30 おやつ
12:30～13:30 昼食休憩
15:00 おやつ
封じ手は飛車を逃げる▲４五飛の一手と見られています。谷川九段は「そこで飛車を追うのが難しいんですよね。例えば△３三桂は▲６五飛と回られてしまいますので。飛車回りを防ぐなら△５三桂ですが、▲２五飛△３三桂▲２八飛△３六歩▲４六銀で歩の枚数の差が響いてきます。後手がちょっとつらいです。永瀬王座の▲４四桂（65手目）は指されてみればなるほどの手でした」と話していました。
18時、永瀬王座が71手目を封じました。封じ手の考慮時間は15分。１日目の消費時間は▲永瀬王座３時間55分、△渡辺王将３時間29分。対局は明日９時から再開されます。
