■永瀬拓矢王座
―― 一局を振り返って。
永瀬 序盤は用意の作戦ではありました。全体的に手が広く、両者気を使う印象があったんですが、難しい将棋だったのかなと思います。
――どのあたりから指しやすくなったと思いますか。
永瀬 封じ手の局面は若干先手持ちかなと。ただ、まだまだ大変なので。いいと思ったのは最後のところですね。
――▲4四桂(65手目)が効いたのでは。
永瀬 ▲3四桂と▲4四桂では▲3四桂なのかなと思った。歩が7枚くらいあって、飛車が不安定なので、そこがどうなっているかなと思っていました。
――勝ちを意識したところは。
永瀬 ▲3三金(107手目)と打って受けが難しくなったかなと。
――最後はどのような心境でしたか。
永瀬 ▲2四歩(89手目)のところで▲3六銀との比較が難しかったので。▲3六銀のほうが自然ですか? ちょっとよくわからないかな、と。
――第5局に向けて。
永瀬 一局でも多く教えていただけるように、精いっぱい準備して頑張りたいと思います。
■渡辺明王将
――2日間を振り返って。
渡辺 ちょっと早い段階でダメにしてしまった将棋でした。そうですね、初日の昼休明けくらいの攻め方がおかしくて。
――ずっと苦しかった。
渡辺 ▲4四桂(65手目)をうっかりしていたので。封じ手が過ぎて1日目が終わったところはかなり悪いと思いました。
――▲4四桂と打たれたところで封じ手か、といわれていました。
渡辺 もうダメだと思ったので、アヤを求めて指していったんですけど……。
――2日目はどうだったでしょうか。
渡辺 一応寄せ合いの形にはなりましたけど、基本的には足りないのかな、という感じでやっていました。元が足りなすぎるので、さすがにずっと足りないんだろうな、と。
――第5局に向けて。
渡辺 本局は早い段階で悪くしてしまったので、もうちょっと内容がある将棋を指さないといけないですね。
図の局面で渡辺王将が投了しました。終局時刻は18時1分。消費時間は、▲永瀬7時間21分、△渡辺明7時間43分。
永瀬王座はシリーズ初勝利をあげて、2018年3月の第43期棋王戦五番勝負第5局から続いていた対渡辺戦の連敗を7で止めました。第5局は3月1・2日(月・火)に佐賀県三養基郡上峰町堤「大幸園」で行われます。
2月14日に王将戦七番勝負が行われたことは何度かあります。平成以降、2日目が14日だった対局は下記の通り(肩書は当時)。1996年の第45期七番勝負第4局は、羽生七冠誕生の一局として知られています。
2017年 第4局 久保利明九段●-○郷田真隆王将
2015年 第3局 佐藤康光王将○-●渡辺明竜王
1997年 第4局 羽生善治王将○-●谷川浩司竜王
1996年 第4局 谷川浩司王将●-○羽生善治竜王・名人
1989年 第3局 島朗竜王●-○南芳一王将
]]>15時からオンライン配信での大盤解説会が始まりました。視聴は事前申し込み制で締め切られています。最初の解説は谷川九段、聞き手は室谷女流三段が担当。終盤戦に入り、詰む詰まないといった際どい変化が出てきています。
]]>15時、おやつが出されました。注文は渡辺王将がアップルマンゴーのマンゴープリン、フレッシュオレンジジュース、フェアトレードコーヒー。永瀬王座がカットフルーツ(苺多め)、立川産ブルーベリーとバナナのスムージー、立川産キウイフルーツのジュース、フェアトレードコーヒーです。飲み物は対局室に、食べ物は対局者控室に運ばれます。
]]>14時から「パレスホテル立川」で特別座談会が始まりました。出演者は谷川九段、佐藤康九段、室谷女流三段。谷川九段があいさつで「進行が思ったよりも早いので、戦況を気にしながら進めていきたい」と話しました。室谷女流三段が進行役を務め、谷川九段と佐藤康九段が「王将戦の思い出」をテーマに語ります。
谷川九段は第41期から王将4連覇し、佐藤康九段は第51期と第61期の王将です。谷川九段は1995年、阪神・淡路大震災の前後に戦った第44期七番勝負を「鮮明に覚えている」と語りました。佐藤康九段は第51期七番勝負を挙げ、「本格正統派という看板が揺らぎ始めた、自分の殻を破るきっかけになった」という第1局について話していました。三間飛車からスタートし、飛車と香2本を端に並べて居飛車穴熊を打ち破ったインパクトの大きい一局です。
]]>永瀬王座は13時10分ごろに対局室に戻り、厳しい表情で盤面をにらんでいました。渡辺王将が戻ってほどなくして、谷川九段から「1時30分になりました」と声がかかります。
]]>12時30分、図の局面で永瀬王座が24分使って昼食休憩に入りました。消費時間は▲永瀬王座5時間36分、△渡辺王将5時間10分。昼食は渡辺王将が信玄どりの親子丼をサラダなしで、永瀬王座は那須産鰻のうな丼、あまおう苺の苺大福を注文しています。対局は13時30分に再開されます。
]]>王将戦七番勝負はこれまでに何度か東京都で行われていますが、将棋会館を除くと回数はあまり多くありません。今回、東京都で王将戦が開催されるのは実に20年ぶりのことです。前回は第50期七番勝負第1局が江東区の「ホテルイースト21東京」で行われました。第50期七番勝負は羽生王将(当時)に谷川九段が挑戦、羽生王将が4勝1敗で防衛したシリーズです。
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